Twitter好きの日本企業が抱えるネットワーク課題――パロアルト調査:NEWS
パロアルトネットワークスは、2010年11月から半年にわたり全世界を対象に行った企業ネットワーク帯域でのアプリケーション利用状況をまとめ、日本版リポートを報告した。
日本企業が利用するアプリケーションの41%が従来のファイアウォールでは制御困難――このたびパロアルトネットワークスが発表した独自調査で、日本企業のアプリケーション利用状況とそれに付随する脅威の特徴が見えてきた。
パロアルトネットワークスでは、半年ごとに顧客環境のトラフィックを調査しており、全世界および国別に企業ネットワーク帯域でのアプリケーション利用状況をまとめている。2010年11月から2011年4月の期間で行った調査では、日本企業特有のものとして以下3点の課題が挙げられた。なお、同調査の対象企業は世界1253社、そのうち日本企業は87社である。
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(1)検知したアプリケーションのうち41%はSSLなどポート443以外の通信を利用したものだった。全トラフィックの27%を占めるそれらのアプリケーションは、ポートレベルでアプリケーションを識別する従来のファイアウォールでは制御が困難である
日本企業が利用するアプリケーションはサーバ/クライアントタイプのものが多く、ポートでアプリケーションを識別する従来のファイアウォールでは、ユーザーと利用権限をひも付けた制御(X部のAさんにはFacebookの全機能を許可するが、Y部のBさんには閲覧のみで書きこみ禁止など)ができない。なお同社が調査を開始した2年前には、それらのアプリケーション利用はわずか10%以下だった。
(2)ソーシャルネットワークサービス(SNS)は全世界共通で利用率が増加しているが、日本はTwitterが45%を占めるなど、利用アプリケーションに世界の傾向と若干かい離がある
アプリケーションを狙う脅威レベルに違いはないが、日本で利用率の高いTwitterは短縮URLを悪用したスパムなども横行していることから、アプリケーション経由のマルウェア感染などに注意が必要という。
(3)P2Pとブラウザベースのファイル共有をそれぞれ82%、63%の割合で使用している
世界ではWebブラウザベースのファイル共有が多く利用されているのに対し、日本はMicrosoft Office Liveなどのクライアント/サーバタイプ、宅ふぁいる便などのブラウザタイプのファイル共有アプリケーション利用率が高い。
アプリケーション利用のリスクを回避するには?
以上に挙げた脅威に対し、企業はどのような対策が取れるのか。パロアルトネットワークではその回答として、アプリケーションをポート、プロトコル、暗号化の有無に関係なく識別、制御可能で、かつ各アプリケーションの利用状況を可視化・リポート可能な次世代ファイアウォールを推薦している。
同社では、次世代ファイアウォール製品「PAシリーズ」を提供しており、国内でも複数社での導入実績がある。
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