まる分かりIT基礎解説「ファイアウォール」
何が違う? ファイアウォールと次世代ファイアウォール
Webアプリケーションの普及により、企業ネットワークは従来と異なるトラフィック制御が求められる。本稿では、従来のファイアウォールが持つ機能を復習しながら、今求められるファイアウォールの機能を紹介する。
ネットワークの状況を理解するファイアウォール
現在では、仕事をする上でインターネットを利用したさまざまなWebアプリケーションが必要不可欠となっている。インターネットが一般に普及し始めたころは、電子メールやWebアクセスといった通信がほとんどだったと思う。これらの通信は、例えば電子メール(SMTP)であれば25番ポート、Webであれば80番ポートといった具合に、通信によってポートを把握することで、大体の動向をつかむことができた。
だが、近年ではさまざまなWebアプリケーションが普及したため、ひとくくりにWebトラフィック(ここでは、80番、443番のHTTP/HTTPS通信を指す)とまとめて扱うだけでは足りなくなりつつある。
現在使用されている主なWebアプリケーション
先に述べた通り、近年ではSalesforce.comやSAP、Twitter、mixi、Google(検索、Gmail、カレンダー、地図など)、YouTube、Facebook、LinkedIn、EvernoteなどさまざまなWebアプリケーションがある。
これらの共通点は、Webブラウザから利用できるアプリケーションであるということだ。一般的にはWebトラフィックとひとくくりにできるものである。だが、企業用途で見た場合、従業員が使用しているWebアプリケーションは、業務アプリケーションと呼ばれるものからSNSや動画サイトまで、業務で利用するものと就業時間中は制限したいものが混在しているのが現状ではないだろうか。
ファイアウォールが一般的になってから既に数十年たっているので、多くの企業でファイアウォールが設定されていると思う。ファイアウォールでは、ご存じのようにTCPヘッダの送信元と、送信先のIPアドレス、ポートを基にトラフィックの制御を行っている。
では、ファイアウォールでこれらのWebトラフィックと呼ばれるアプリケーションを企業の要望に応じて制御することができるのだろうか。
管理者が、各アプリケーションで提供されるサーバのIPアドレスを小まめに調べて、ファイアウォールのルールに追加すれば可能かも知れない。だが実際は、サーバは1台ではなく、ユーザー企業の管理者の意図とは関係なくIPアドレスの追加・変更が行われる。
すなわち、現実的にはファイアウォールでこれらのWebトラフィックを把握することはできない。こうした背景から、近年では以下のような機能や改善が施された新しいファイアウォールが求められている。
- ファイルサイズを把握できる
- アプリケーションを認識するDPI(ディープパケットインスペクション)を持っている
- ウイルス検知速度が高速化されている(ゲートウェイアンチウイルスがプロキシタイプの場合)
- プロトコルの制限ができる
- パケットタイプに適したシグネチャがある(ゲートウェイアンチウイルスがパケットタイプの場合)
- 1つのシグネチャで複数の脅威に対応できる
- 高速DPI・パケットタイプの制限ができる
ここ数年、各ベンダーから上記で挙げた機能を搭載した「次世代ファイアウォール」と呼ばれる製品が登場している。そこで次回「読めば分かる! 次世代ファイアウォール」では、ベンダー各社から提供されている次世代ファイアウォールを紹介しながら、今後求められるファイアウォールの姿を探っていく。
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