コンタクトセンターへの苦情よりも頻出
Twitterへの不満投稿を防ぐ、企業がSNSと仲良くなる方法
カスタマーサポートへの苦情ではなく、Twitterで不満をぶちまけられたことで大きな損害を被った企業も存在する。顧客との一般的なコミュニケーション手段となったソーシャルメディアとの上手な付き合い方とは?
ユーザーの中には顧客サービスに電話で苦情を言わずにTwitterで不満をぶちまけるという手段に訴える人もいる。そのため、コールセンターのスタッフには、ソーシャルネットワークを通じてユーザーに接触できるツールが必要だ。コンタクトセンター用ツールとソーシャルメディアを連係すれば、企業は「ソーシャルカスタマーケア」を実践できる。企業にとって、顧客とのコミュニケーションにおける重要な戦略にもなる。
米Frost & Sullivanで情報・コミュニケーション技術を担当する業界アナリストのブレンダン・リード氏は「ソーシャルプラットフォームを活用したコンタクトセンター戦略は、顧客を把握するのに非常に有効であり、顧客の好みや最近のトレンド、何が議論になっているかなどについて多くの有益な情報を得ることができる。コンタクトセンターでソーシャルツールを活用することで、顧客と直接かかわる機会も生まれる。これは宝の山だ」
ソーシャルメディアのチェックだけでは不十分
多くのベンダーは、自社のコンタクトセンター用ツールとソーシャルメディアをさまざまな方法で連係している。例えば、米Cisco Systemsは自社の「Unified Contact Center Express」用にソフトウェア「SocialMiner」を提供しており、米Avayaは自社の「Aura Contact Center」用に「Social Media Manager」を提供している。これらのベンダー独自のソーシャルメディア管理製品は、ブランド監視用の単体ツールとして購入できる。また、ベンダーのコンタクトセンター用ツールと連係することも可能だ。両者を組み合わせれば、ソーシャルメディアサイトで特定のキーワードやハッシュタグ、会話スレッドを見つけたり、フォローアップのために、コンタクトセンター用製品のルーティング機能を利用して適切な担当者に情報を送信することができる。
米COMMfusionと米UCStrategies.comで社長兼主席アナリストを務めるブレアー・プレザント氏によると、必要な技術は存在するものの、普及は進んでいないという。「着信電話をモニターし、専門知識や顧客の感情に応じて適切な担当者に転送する機能を備えたコンタクトセンター技術は市場に出回っているが、まだ企業の購入意欲は低い」とプレザント氏は指摘する。
「『この種のコンタクトセンター用ツールを必要とするほどの規模ではない』と言う企業が多いが、ソーシャルカスタマーケアを全般的な顧客サービス戦略の一部にしている企業も徐々に増えてきている」と同氏は話す。
現時点では、ソーシャルメディアでのやりとりに基づいた自動コールルーティング機能を必要とする企業は多くないかもしれない。しかし、コンタクトセンターを通じてソーシャルメディアを監視している企業は多い。「だが、ソーシャルメディア上で問題が顕在化したときには既に手遅れという可能性もある」とFrost & Sullivanのリード氏は指摘する。企業はソーシャルカスタマーケアを顧客の声を聞くだけの手段に終わらせてはならないという。
「企業は問題が発生した後で対処に追われることを避けたいと思っているはずだ」とリード氏は語る。「ソーシャルカスタマーケアを利用すれば、コンタクトセンターのスタッフが早期の警告サインに耳を傾け、すぐに対処することにより、被害の拡大を防げる可能性がある」
プレザント氏によると、コールセンターとソーシャルメディアの連係に取り組んでいる先進的企業は、顧客を新製品や新しいサービスに誘導したり、顧客から要求される前に手助けを提供したりできるようになるという。
会話に参加するタイミング
ベンダー各社はコンタクトセンタープラットフォームにソーシャルメディアとの連係機能を組み込んでいるが、「不満を抱いている顧客にいつ接触すべきなのか」あるいは「会話に加わらない方がいいのはどんな場合なのか」といったことをコールセンターのスタッフに指示できる製品は存在しない。ソーシャルメディアを通じて顧客とかかわることは、早い段階で顧客の不満を把握するだけでなく、いち早く情報を顧客に伝えるのにも役立つ可能性があるが、ソーシャルメディアは公共のプラットフォームであることをコールセンターのスタッフは忘れてはならない。
「電話でのやりとりとは異なり、ソーシャルメディア上で企業側から顧客に質問を投げ掛けることはできないかもしれない。プライバシーや匿名性の問題があるからだ」とリード氏は語る。
「企業のコールセンターには、ソーシャルメディアに詳しく、FacebookやTwitterの仕組みを理解しているスタッフが絶対に必要だ。もちろん、これらのチャネル上での情報共有に伴うセキュリティ問題に対する理解も必要だ」とUCStrategies.comのプレザント氏は指摘する。
米Saddletree Researchのポール・ストックフォード社長兼主席アナリストによると、ソーシャルメディアの管理には、コールセンターのスタッフに対してさまざまなレベルのスキルが求められるだけではなく、顧客に関する重要な情報をソーシャルプラットフォームから切り離せるようにするために、各種の社内データ管理機能(アナリティクスなど)も必要になるという。
「コールセンターは顧客からの問い合わせに対応すればいいという段階から、顧客を深く理解し、顧客が求めるメディアを通じて対応しなければならない段階に入った」とストックフォード氏は語る。
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