業務課題から考えるデスクトップ仮想化 徹底解説【第3回】
徹底比較:生い立ちから分かる、デスクトップ仮想化主要3製品の違いとは?(1/2 ページ)
「VMware Horizon View」「Citrix XenDesktop」「Microsoft VDI」といったデスクトップ仮想化の主要製品の機能について紹介する。
デスクトップ仮想化の主要製品といえば、「VMware Horizon View」「Citrix XenDesktop」「Microsoft VDI」の3つが挙げられる。これらの製品の特徴や違いを解説する上で、デスクトップ仮想化の歴史について簡単におさらいしたい。
デスクトップ仮想化の歴史は、「Windows NT Server Terminal Server Edition」によるサーバ共有型のデスクトップ仮想化でスタートした。ユーザーはターミナルサーバへログインし、リモート環境のアプリケーションを利用することで、当時の非力なクライアントからアプリケーションを利用するのに比べ、数段効率的にアプリケーション利用することができた。さらに「Citrix Metaframe」(現:「Citrix XenApp」)をアドオンすれば、ターミナルサーバの機能を強化することができ、ユーザーの利便性を上げることができた。
一方で、x86アーキテクチャのサーバを仮想化する技術は「VMware ESX」から始まり、「Citrix XenServer」「Microsoft Hyper-V」など多くのサーバ仮想化製品が追随してきた。各サーバ仮想化製品は、デスクトップ仮想化に対応するために機能を拡張し続けている。
関連記事
デスクトップ仮想化の基礎
デスクトップ仮想化のコストを削減する
デスクトップ仮想化の事例
デスクトップ仮想化のモバイル利用
デスクトップ仮想化のハードウェア選定
デスクトップ仮想化の始まりが、Microsoft、Citrix Systems、VMwareの各社で異なっていたことは、現在の各製品の特徴にも出ている。
デスクトップ仮想化ソリューションで拡張された機能の1つがコネクションブローカーだ。コネクションブローカーとは、サーバやデスクトップをユーザーへ動的に割り当てる仕組みである。当時のターミナルサーバでは、サーバ1台に対して複数ユーザーが利用できる仕組みを持っていたが、複数サーバに対して複数ユーザーを動的に割り当てる仕組みは持っていなかった。そのため、Citrix MataFrameなどのサードパーティー製品の拡張機能を利用して、ユーザーが接続するターミナルサーバのアドレスを意識せずに利用できる仕組みや冗長性を実現していた。
ターミナルサーバは「Windows Server 2008 R2」から「リモートデスクトップサービス」という名前に変更されており、コネクションブローカーの機能もこのタイミングで追加されている。また、「Windows Server 2012/2012 R2」でコネクションブローカーの機能が強化されており、VMware Horizon ViewやCitrix XenDesktopと同様に、プロビジョニングして仮想デスクトップを管理する仕組みが追加されている。
VMwareは、VMware ESXにデスクトップ仮想化ライセンスが追加された当初はコネクションブローカーの機能がなく、大規模ユーザーでの運用に課題があった。そのため、複数のベンダーが自前のコネクションブローカーを開発し、デスクトップ仮想化ソリューションとして提供していた。現在ではVMware Horizon Viewでコネクションブローカーの機能を持っており、さまざまな機能拡張を図っている。
Citrix XenDesktopは当初、XenAppの技術を応用してコネクションブローカーの役割を持っていたが、現在のXenDesktopではXenAppとは別の仕組みでコネクションブローカーの機能強化を図っている。また、CitrixではXenDesktopのためにXenの技術を取り入れており、このタイミングでハイパーバイザーとしてCitrix XenServerを提供し始めている。
Microsoft、VMware、Citrix各製品での特徴や違いについて説明しよう。
Microsoft VDI/RDSH
Microsoft VDI/RDSH(Remote Desktop Session Host)では、配信プロトコルにRDPを利用している。このRDPは、バージョン8からTCP通信に加えUDP通信にも対応し、RDP7に比べて性能が大きく改善した。また、GPUを仮想化する「RemoteFX」はRDP7に比べて機能強化されており、USBリダイレクトやマルチタッチ対応機能が追加されている。
利用できるハイパーバーザーはHyper-Vのみとなるが、Hyper-Vの機能強化も進んでいることから大規模ユーザーでの利用も増えている。ライセンスコストはリモートデスクトップサービスでRDSHを利用する場合、OSライセンス以外に「RDS CAL」が必要となるが、VDIに比べ初期コストやランニングコストを低く抑えられる。MicrosoftのリモートデスクトップサービスでVDIを利用する場合、仮想化ライセンスに「VDA(Virtual Desktop Access)」ライセンスが必要な他、RDS CALが必要となるため、他社ソリューションに比べてコストが高くなる場合に注意されたい。RDSHとVDIを併用することで、ユーザーの要求に沿った構成が可能となり、コストを抑えた利用が可能になる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
業務課題から考えるデスクトップ仮想化 徹底解説
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[株式会社うるる] 「入札市場」攻略ガイド:効率的に落札するためのポイントを徹底解説 -
製品資料
[株式会社うるる] 入札情報に特化した「販路拡大」「効率化」のためのサポートツールとは? -
市場調査・トレンド
[株式会社うるる] 公共入札に成功する企業と失敗する企業の「5つの違い」 -
製品資料
[日本ビジネスシステムズ株式会社] 専門家が教える、Microsoft 365の「テナント統合/分離」を成功に導く秘訣 -
製品資料
[rakumo株式会社] Microsoft 365での情報埋没を防ぐ、社内ナレッジを資産化する情報ポータル活用
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
半数がブルーカラー転向を視野に? ベテランエンジニアを追い込む“54歳の壁”
-
2
「Windows」の不要なファイルを安全に消して容量を空ける方法
-
3
PHP脆弱性「PHP2Shell」で2260万件に影響 情シスの緊急チェックリスト
-
4
「Microsoft 365」が乗っ取られる MFAを破る“本物の画面”の恐怖
-
5
なぜ「Gemini 4 Argon」は出遅れたのか? Googleが狙う“逆転のシナリオ”
-
6
「IT運用・情報システム業務」に関するアンケート
-
7
OpenAIやAnthropicでさえ制御不能 2026年夏「3大サイバー攻撃」の衝撃
-
8
ChatGPTは“検索しまくり”でGeminiは“淡泊”? データが明かすAIの裏側
-
9
生成AIが普及しても「技術書」を手放せないエンジニアの本音
-
10
Microsoft 365移行で露呈した標準機能の限界 地方銀行は上長承認や「脱PPAP」をどう実現?
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
AI駆動攻撃にどう対抗する? 超速の攻撃からエンドポイントを保護する方法
-
2
最速72分でデータが流出? 最新の脅威トレンドや侵入手法から分かった防衛策
-
3
2026年のサイバーセキュリティには何が必要か? 最新データに学ぶ傾向と対策
-
4
経験豊富な即戦力人材に直接アプローチできる、「攻めの採用」への転換術
-
5
「IT史に名を残すシステム障害」8選
-
6
SASE選定は「見極め力」で大きな差――本当に必要な製品を選ぶための6つの視点
-
7
不審メールの経路や見せ方に変化? 2026年夏の3事例から見えた動向と対処方法
-
8
Microsoft 365のメールセキュリティ、3つの“死角”と追加で検討すべき対策とは
-
9
AI駆動開発のスピードと安全性を両立 「品質・セキュリティ管理」の実践ガイド
-
10
「標的型攻撃メール」事例・サンプル集
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー