大学のIT部門が生きる道【後編】
学生の「勝手Dropbox」を禁止したいなら“代わり”を用意すればいい(1/2 ページ)
セキュリティ確保のために、できる限り外部のクラウドサービスは使ってほしくない。とはいえ、学生や教職員のニーズには応えたい――。高等教育機関のIT部門は、こうした課題の解消に向けて知恵を絞る。
前編「学生はなぜ“使ってはいけないアプリ”を勝手に利用したがるのか」では、高等教育機関のIT部門が、学生や教職員がIT部門の管轄外にあるIT製品/サービスを活用する「シャドーIT」にどう対峙しているかを具体例を交えて説明。学生や教職員のニーズに応えつつ、セキュリティやコンプライアンスの維持に務める様子を紹介した。
後編でも前編に引き続き、各高等教育機関の実例を基に、シャドーITの課題解消に向けてIT部門が取り得る策は何かを見ていく。
望むものを提供する
Utah State University(ユタ州立大学)の最高情報責任者(CIO)であるエリック・ハーレイ氏は、3万人近い学生と約2800人の教職員を抱える同大学でシャドーITに対処している。エリック氏によるとシャドーITの呼称は、IT部門と大学の他の部門の間に介在する縄張り争いを暗示する偏見のある言葉だ。そのため、同氏はあえてシャドーITという言葉を使わず、代わりにエンドユーザーが必要とするものを提供してきたという。
「エンドユーザーが大学に何かを持ち込んだ場合、それが私たちの提供するシステムでカバーできないニーズを満たすものであれば、反論できない」とハーレイ氏は語る。その一例が、Dropboxのオンラインストレージ同期サービス「Dropbox」だ。
学生はDropboxを使うと、論文やリサーチプロジェクトなどのファイルを保存して共有できる。無償で使えるコンシューマー版のオンラインサービスは、学生に人気が高い。
大学のセキュリティやコンプライアンスのニーズに適合させながらストレージを充実させるために、ハーレイ氏のチームはDropboxの代わりとなるオンラインストレージ同期サービスの評価を開始した。同氏はGoogleの「Googleドライブ」を採用。さらに機密性の高い情報向けには、医療プライバシー法であるHIPAAに準拠したBoxの「Box」を採用した。
これらのオンラインストレージ同期サービスは、少なからぬ容量のストレージを提供する。学生向けのGoogleドライブのストレージは無制限で、Boxのストレージは1アカウント当たり50GBだ。さらに学生は卒業してもアカウントを維持できる。
「Microsoftのオンライングループウェア『Office 365』であれ、Googleドライブであれ、Boxであれ、別のサービスとの連係が可能なサービスを探している」とハーレイ氏は語る。連係で単一サービスよりも優れた機能を提供できるかどうかを確認しているという。「そのようなサービスが見つかれば、採用して学生に開放する。そうすれば学生はメリットがあることに気付き、そのサービスを使用するようになるだろう」(同)
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