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モバイル管理11製品を紹介 iPhone、Android、Windows管理機能の詳細は?Apple、Citrix、IBM、Microsoft、VMwareなどを解説(1/3 ページ)

企業にとって適切なEMM(エンタープライズモビリティ管理)製品を選ぶのは簡単なことではない。EMM市場の主要ベンダーはさまざまな機能を提供している。企業にとっては、適切なツールを選ぶことがポイントになる。

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代表的なEMM製品であるVMware「AirWatch」のWebサイト《クリックで拡大》

 EMM(エンタープライズモビリティ管理)製品の購入担当者は、EMM市場で提供されるツールやサービスを慎重に評価しなければならない。EMM製品はどれも多角的な製品ばかりで、利用できるオプションも多い。検討すべき機能は多岐にわたる。

 EMMは単一製品ではない。次のような主要機能を備えた一連のツールを指すのが一般的だ。

  • モバイルデバイス管理(MDM)
  • モバイルアプリケーション管理(MAM)
  • モバイルID管理
  • モバイルコンテンツ管理

 上記4つの機能の実装状態に、価格と提供モデルを合わせて考えることで、製品購入時にベンダーを検証する具体的な方法が見えてくる。EMM市場のツールやサービスの中でも、管理者が調査すべき重要なプラットフォームがある。例えば次のようなものだ。

  • Appleの「iOS」デバイス管理
  • Googleの「Android」管理(Googleの「Android for Work」またはSamsungの「KNOX」を使用)
  • Microsoftの「Windows」サポート

 自社にとって最も重要なプラットフォームを見極めることが、最も適切なベンダーを決める際に役立つ。

VMware

 EMM市場を長年リードしてきたと考えられるのがVMwareの「AirWatch」だ。VMwareは2014年にAirWatchを買収し、2015年にはBoxerを買収した。両社のツールを手に入れたことによりVMwareはEMM市場首位の座を占めている。

 AirWatchの中核となるEMMツールはクラウドでホストされ、オンプレミスサービスを経由するMicrosoftの「Active Directoryフェデレーションサービス」(ADFS)など、企業の認証サービスに接続できる。AirWatchは、少数のアカウントから非常に多くの多国間アカウントまで瞬時に拡張できることが実証されている。

 ユーザーはVMwareの「Boxer」を使ってメールへのアクセスを保護できる。本稿執筆時点の最新リリースではAndroidもサポートされるようになった。またVMwareは、EMMベンダーの中でもモノのインターネット(IoT)デバイス向けの管理ソリューションを導入している数少ない企業の1つだ。具体的にはウェアラブルデバイスやカスタムビルドツールなどのIoTデバイスを対象にする。

 EMCがDellに買収されたことにより、業界ではEMMサービスが必要とする水準のサポートが提供されなくなる可能性を懸念している。EMCはVMwareの親会社に当たる。

Citrix

 Citrixにはデスクトップ仮想化とサーバ環境の分野に古くからの実績がある。それをけん引してきたのが同社の「XenMobile」製品ラインアップだ。XenMobile EMMスイートを構成しているCitrixのツールには、「NetScaler」「ShareFile」、XenMobileなどがある。

 XenMobileの長所は、モバイルデバイス上のWindowsベースソフトウェアにアクセスできる機能だ。これはセールスパーソンのように外出先での作業が多いユーザーにメリットがある。XenMobileの短所はユーザーエクスペリエンスが不十分な点で、スマートフォンでは特に顕著だ。Microsoftの旧「Windows 7」アプリをタッチ環境に移すことができない。Citrixは当初からXenMobile導入の問題に対処するために数多くの取り組みを行っており、ユーザーがデスクトップアプリに追加できるタッチフレンドリーソフトウェア開発者キットを用意して、モバイルプラットフォームでより簡単にアクセスできるようにしている。

 Citrixツールを採用する企業にとって最大の課題となるのは恐らくスケーラビリティだ。中小企業なら問題はない。だが大企業はSaaS環境を適切に構成できなければ問題を抱えることになる。

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