導入済みなら効果は期待できる
「フラッシュ有効活用」の視点でファイバーチャネルとイーサネットを比較する
Gen 6ファイバーチャネルはデータ転送速度のボトルネックを解消する可能性がある。だが、企業は急速に進化するイーサネットを選ぶ傾向があるという。ファイバーチャネルを取り巻く環境からその理由を探る。
ファイバーチャネルはイーサネットに追い付こうと技術革新をしており、顧客はまた最先端フラッシュシステムの高いパフォーマンスに期待している。結果として、ファイバーチャネルの高速バージョンが市場に登場することになる。その最新バージョンが第6世代のファイバーチャネル「Gen 6ファイバーチャネル」だ。
恐らくここ数年、最優先で開発が進んでいるのはフラッシュストレージだ。つい最近までフラッシュストレージシステムは非常に高価な夢にすぎなかった。だが今日では、アプリケーションのパフォーマンスを向上し、ビジネスを加速させるためにオールフラッシュストレージは当たり前の選択肢となっている。これまでディスクベースだったシステムはオールフラッシュストレージシステムへと切り替わってきている。
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高速であるがゆえの課題とは
だが、フラッシュには興味深い課題が存在する。それは「パフォーマンスの最大化が難しい」という課題だ。多くの企業はストレージシステム以外の場所(ファブリック、つまりネットワークもしくはスイッチのこと)で生じるボトルネックのせいで、フラッシュの全パフォーマンスをそのまま利用できていないのだ。ファブリックの速度は上がってきているが、転送にはいまだに10GBイーサネットか16GBファイバーチャネルを利用している。これではフラッシュがどれだけ高速でも転送方式の上限値以上の性能は引き出せない。
Gen 6ファイバーチャネルは、フラッシュの性能を全て生かすよう努め、大小さまざまなワークロード(システム稼働)の促進を目指している。Gen 6ファイバーチャネルにより電力効率が大幅に向上し、ワークロード密度が高くなっている。これによりデータセンターのエネルギー効率が上がる可能性もある。
今後の展望
Gen 6ファイバーチャネル市場はスタートの時点で出遅れた。このため前バージョンの成功を今回も引き継げるかは分からない。イーサネットは非常に優れたテクノロジーになり、優れた柔軟性、高い導入率、絶え間ない技術進化を実現している。当初の速度はたった2.94Mbpsだった。現在、既存のイーサネットアダプターを利用する場合の最高速度は100Gbpsに達する。イーサネットの速度は他のほぼ全てを圧倒し、止まる気配は全くない。
さらに、従来型のストレージそのものはハイパーコンバージドインフラなどの新しいテクノロジーでも採用されている。企業はストレージとストレージプロトコルを複雑に考える必要がなくなる。その結果、複雑さを伴うファイバーチャネルなどの従来型ストレージプロトコルは時代遅れになると予想されている。別の視点ではイーサネットの進化は、ゆくゆくはファイバーチャネルとイーサネットの統合技術であるFibre Channel over Ethernet(LAN環境とファイバーチャネルSAN環境を統合するプロトコル)につながると考えられていたが、実際にはそうなっていない。ファイバーチャネルの将来はそれほど明るいものではないようだ。
複雑さを許容できれば有効な選択肢となる
最後の課題はコストと複雑さにある。ファイバーチャネルには専用アダプターとスイッチが必要になる。以前からずっと運用するには高価なテクノロジーだったのだ。こうしたニーズにより、ファイバーチャネル採用時にはコストと複雑さが検討事項に加わる。
多くの顧客が柔軟で迅速な代替手段を検討できる現在では、新規のファイバーチャネル導入はそう簡単には進まないだろう。だが既に投資を行っている場合やスタッフのスキルが高く予算も豊富にある場合はGen 6ファイバーチャネル導入の効果を期待できる。何よりファイバーチャネルは長年使われている技術のため、その安定性は高い。企業は自社の状況を踏まえ、慎重に導入を見極めてほしい。
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