うまく導入をしてそのメリットを生かし切る
デジタルホワイトボード「Surface Hub」「Cisco Webex Board」「Jamboard」を混在させるべきではない理由
せっかく「デジタルホワイトボード」を導入しても、導入の仕方によっては、なかなか利用が広がらない可能性がある。
「インタラクティブホワイトボード」「電子黒板」とも呼ばれる「デジタルホワイトボード」は、ビデオ会議や画面共有、アノテーション(付せんやメモなどの注釈)、ワイヤレスプレゼンテーション(ディスプレイやプロジェクターへの無線接続)などのユニファイドコミュニケーション(UC)機能を豊富に備える。
デジタルホワイトボードの真価は、遠隔地にいるユーザーとビデオ通話で資料を一緒に見たり、そこにアノテーションを書き込み合ったりする、双方向かつリアルタイムのリモートコラボレーションができるところにある。デジタルホワイトボードは、ビデオ会議や画面共有といったUC機能を備えているからだ。
ITコンサルティング会社Nemertes Researchの創業者でプレジデントのロビン・ギャレス氏は、こうしたリモートコラボレーションのためにデジタルホワイトボードを使いこなしている企業は、まだ少ないと指摘する。「残念なことに、企業のリモートワーカーへの配慮は、まだ十分ではない。どこで働く従業員にも気を配るべきだが、見落としがちになっているようだ」(ギャレス氏)
「会議は物理的に同じ場所に集まるものだ」という考えは依然として一般的であり、会議室にいなければ議論に参加できないと思い込んでいる人は少なくない。双方向のやりとりが可能なデジタルホワイトボードを使えば、リモートワーカーもコラボレーションに参加できる。
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進化するコラボレーションツール
デジタルホワイトボードの導入や導入計画は増えている
マイクとスピーカーが一体になった「スピーカーフォン」やアナログのホワイトボードなど、従来のコラボレーションツールを使い続けている企業は少なくない。先進的な会議室を検討するなら、デジタルホワイトボードは重要なアイテムの一つだ。
デジタルホワイトボードで資料を表示すれば、リモートワーカーもノートPCやモバイルデバイスで見ることができ、そこにアノテーションを付けることもできる。作業内容はクラウドに保存して、後で確認できる。「デジタルホワイトボードがあれば、これまでよりもインタラクティブで生産的な会議を実現できる」と、ギャレス氏は語る。
Nemertesが世界各社のIT責任者約650人を対象として実施した調査によると、デジタルホワイトボードの導入や導入計画は、ここ1年でわずかながら増えた。デジタルホワイトボードを利用している企業の割合は、2017年には17.6%だったが、2018年には19.2%に増加した。2018年中にデジタルホワイトボード導入を計画している企業は14.5%、2019年に導入予定の企業は15.5%だ。
デジタルホワイトボードや携帯電話、ヘッドセット、UCモバイルクライアントといったエンドポイントの導入は、全般的に増加傾向にあるとNemertesは説明する。こうしたエンドポイントの中で、2018年から2019年にかけて購入台数が最も増加する見込みなのは、デジタルホワイトボードだという。
Nemertesの調査によれば、デジタルホワイトボードの導入率は中規模企業が最も高く、従業員数250~2500人の企業の55.2%がデジタルホワイトボードを導入済み、もしくは導入を計画中だ。業界別ではメディアや医療、教育、航空宇宙、防衛などでの導入が多い。人気の価格帯は501~1000ドルだ。「企業向けホワイトボードに対する関心はある。価格が手頃になれば、企業は購入する意思がある」とギャレス氏は語る。
購入するなら同じベンダーにそろえる
近年のデジタルホワイトボード市場には、さまざまなベンダーが参入し、多様な製品が存在する。Googleの「Jamboard」、Microsoftの「Surface Hub」、Cisco Systemsの「Cisco Webex Board」(旧称「Cisco Spark Board」)などだ。Microsoftは次期バージョンのSurface Hubである「Surface Hub 2」の計画も発表している。
会議室関連技術の専任担当者を置いておらず、同じ会社でも部署によって異なるデジタルホワイトボードを購入している企業は少なくない。会議室ごとにホワイトボードの機種が違うと、従業員の間に「この会議室のデジタルホワイトボードの使い方は分かるが、別の会議室にあるデジタルホワイトボードの使い方は分からない」といった混乱を招きかねない。
ギャレス氏は「デジタルホワイトボードのベンダーとして1社を選び、全ての会議室で同じベンダーの製品を使うことを勧める」と話す。そうすれば従業員は、いったん使い方を学べば、どの会議室のデジタルホワイトボードでも使えるようになるからだ。
企業がインタラクティブなデジタルホワイトボードを導入しない理由
デジタルホワイトボードにはさまざまな利点があるが、利用しない企業にも理由がある。利用していない企業は、業務部門からの需要がないと述べていると、Nemertesは説明する。「IT部門がデジタルホワイトボードを業務部門に薦め、その利点を従業員に教える必要があるのではないか」と、ギャレス氏は語る。
企業がデジタルホワイトボードを利用しないもう一つの理由は、価格が高いことだ。例えば84型の第1世代Surface Hubの発売価格は、2万1999ドルだった。ただし利用する企業が増えれば、価格は下がる可能性もある。
他の理由としては、デジタルホワイトボードを評価する時間がないことや、まだ新しい製品だから不安だということが挙がった。
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