新興企業の勢いが止まらない
クラウドストレージベンダーWasabi Technologiesが6800万ドルを調達できた理由
新興企業のWasabi Technologiesは、わずかな期間で6800万ドルを調達し、ブランド認知度を高め、パブリッククラウドベンダーのビッグスリーに挑戦している。
「Microsoft、Google、Amazonの脇役に甘んじるつもりはない」とWasabi Technologies(以下、Wasabi)のCEOで創業者のデビッド・フレンド氏は強気の姿勢だ。
このクラウドストレージベンダーは以前BlueArchiveという会社で、2016年に約850万ドルの資金を調達し、2017年にWasabiとして新たに起業した。
フレンド氏はゲノム解析やメディア、エンターテインメントなどの「専門知識を持つシニアセールススタッフがWasabiには必要だ」と語る。この新興企業は増大する問い合わせに対処するため、社内セールスの担当者を採用する予定だ。現在従業員は約45人で、年末までには60人から65人に増員する見込みだという。
勢いを増すWasabiブランド
コンシューマー(一般消費者)とSMB(中堅、中小企業)の市場で成功を収めたクラウドストレージベンダーのCarbonite社と同じように、新しい競合企業が市場に参入する前に会社規模を拡大して優位性を維持したいとフレンド氏は考えているそうだ。
「有料サービスの顧客数は約3500に達しており、営業部門を増強しWasabiブランドを確立して勢いをつける良いタイミングだ。技術は非常に安定しており、マーケティングに1ドルを費やせば4~5ドルのリターンを期待できるようになった」とフレンド氏は言う。
Wasabiは毎週5~10ポイントの割合でビジネスが成長している、とフレンド氏は主張する。同社はオレゴン州ヒルズボローおよびバージニア州アシュバーンの両拠点の自社設備にデータを保存する。フレンド氏によると、場所は明らかにしないものの、2018年第4四半期にはヨーロッパに新しいデータセンターを開設して運用を開始するという。
顧客のストレージ使用量は、小規模の場合で数TB、最大の顧客は5~10P(ペタ)Bで、今後は50~100PBに拡大する見込みだとフレンド氏は語る。
Wasabiの最大の顧客は、ハリウッドの映画スタジオなどのメディアやエンターテインメント企業だという。これらの顧客を念頭に置いて、カリフォルニア州サンノゼとハリウッドの間に「ダイレクトコネクト」のオプションを導入した。このオプションは高速の専用パイプを介したデータ転送をするサービスだ。Wasabiは、AWSの「Snowball」オプション(物理的に大型ストレージを顧客に貸与し、ストレージごと大容量のデータを移送するサービス)と同様に、顧客が大量のデータを保存できる「ボールトランスファー」製品も提供する。
Wasabiへの出資者
Wasabiは、典型的なベンチャーキャピタルから資金調達する代わりに、個人投資家やスイスの起業家エルネスト・ベルタレリの技術基金であるForestay Capitalなどの家族経営の企業から出資を獲得している。フレンド氏によると、多くのリピート支援者を含め117の投資家がWasabiに出資したという。
「当初は4000万ドルほどの資金調達を期待したが、これを超えて6800万ドルとなった時点で、それ以上の出資の申し出を辞退する必要があった。信じられないほど多くの人々からの出資の申し出があった」と同氏は語る。
経済誌Forbesによると、Wasabiへの新しい出資者である投資家バータレッリ氏は87億ドルの資金を有するという。
フレンド氏によるとWasabiの投資家は積極的かつ協力的だという。「投資家の大半は自身のビジネスを構築している自営業者であり、会社経営に参画することに熱心だ。彼らは顧客向けのサイトにWasabiに関する情報も掲載している。Wasabiの上級社員募集を支援したケースもある」と語る。
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