「Web会議セキュリティ」の傾向と対策【第4回】
Zoomの“macOS隠れサーバ問題”に学ぶ「Web会議」の利便性と安全性のジレンマ
新型コロナウイルス感染症対策として注目を集めたWeb会議ツールは、ユーザビリティとセキュリティがトレードオフの関係にある。解決策はあるのか。過去に「Zoom」に発覚した問題を基に考える。
Zoom Video CommunicationsのWeb会議ツール「Zoom」は2019年夏に、「macOS」搭載デバイスでセキュリティ問題を引き起こした。エンドユーザーがmacOS搭載デバイスにZoomをインストールすると、インストーラーがWebサーバも勝手に追加していたというものだ。
このWebサーバはエンドユーザーがZoomをアンインストールしても残り続けた。エンドユーザーがZoomを再インストールするときに、簡単かつスムーズに導入できるようにするためだという。この手法はエンドユーザーのセキュリティとプライバシーを脅かす可能性がある。
Zoomの例に見る「セキュリティか、利便性か」の深い問題
Zoomはエンドユーザーのセキュリティを妥協し、アプリケーションのユーザビリティを高めようとしたことになる。こうしたやり方は、セキュリティとプライバシーを守ろうとする意図を台無しにしてしまう。リアルタイムコミュニケーション(RTC)機能をWebブラウザに実装するためのオープンソース技術「WebRTC」など、音声や映像に関する標準技術を採用することで、この事態は回避できたはずだ。
Web会議ベンダーがユーザビリティの名の下にセキュリティをないがしろにすることは許されない。OSやWebブラウザが提供するセキュリティ機能を取り入れ、エンドユーザーを適切に保護することが求められる。
一般的に、セキュリティを強化するとユーザビリティが犠牲になり、ユーザビリティを高めるとセキュリティが犠牲になる。Web会議ツールが普及する中で、ベンダーはユーザビリティの妥協を最小限に抑えながら、セキュリティを高める方法を見いださなければならない。両者の適切なバランスを見つけ、安全であるとともに、さまざまな場面で便利なツールを開発することがベンダーの役割だ。
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