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「クラウドRPA」が売れない 「RPAはオンプレミス」がまだ常識クラウドRPAを取り巻く業界動向【前編】

RPA市場でクラウドシフトの機運が高まらない。RPAベンダー各社がクラウドRPAをこぞって提供する一方で、ユーザー企業の間ではクラウドRPAの利用は広がっていないという。調査結果を基に実態を整理する。

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 「RPA」(ロボティックプロセスオートメーション)の企業導入が急速に進んでいる。調査会社Gartnerは2020年9月の時点で、2021年にはRPAのグローバル市場規模が約19億ドル(2020年から19.5%増)に達すると予測し、「この2桁増の成長率は2024年まで続く」とみていた。

RPAユーザーが選ぶのはクラウドRPAか、オンプレミスRPAか

 RPAベンダーAutomation Anywhereが2021年8月に公開した調査報告書「Now and Next: State of RPA」は、RPAユーザー企業263社を対象に実施したRPAの導入状況に関する調査結果をまとめている。同報告書によれば、調査対象となったユーザー企業のうち、クラウドサービスのRPA(以下、クラウドRPA)のみを導入しているユーザー企業は4分の1程度(26%)にすぎない。

 クラウドRPAと、オンプレミスインフラで稼働するRPA(以下、オンプレミスRPA)を組み合わせたハイブリッド環境でRPAを利用するユーザー企業は38%、オンプレミスRPAのみを導入しているユーザー企業は36%だった。ただし1年後の2022年には、クラウドRPAのみの導入率は12ポイント上昇の38%に、オンプレミスRPAのみの導入は26ポイント減少して10%になるとAutomation Anywhereは予想する。

 コンサルティング企業Guidehouseでインテリジェントオートメーションプラクティスリードを務めるランヤ・サルース氏は「クラウドRPAがもたらす柔軟性をユーザー企業が認識するにつれ、クラウドRPAの導入が広がる可能性がある」と予測する。ただし「それは2020年代中盤以降のことだ」と言い添える。


 クラウドRPAの導入は、なぜ進まないのか。中編はその理由を解説する。

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