失敗しない「ゲーミフィケーションアプリ」がもたらす“あの体験”とは?:ゲーミフィケーションをビジネスに組み込むこつ【第4回】
ゲーミフィケーションアプリケーションの設計には行動心理学の知見が求められ、開発の手間も小さくない。それでも専門家は、可能な限り“ある体験”をもたらすように設計することが大切だと主張する。
最高情報責任者(CIO)とアプリケーションアーキテクト(アーキテクトはもともと「建築家」や「設計者」の意味)の役割は異なり、ある場面では競合することもある。開発時のハードルを解消できるなら、ゲーム以外の活動にゲームの仕組みを利用する「ゲーミフィケーション」のアプリケーションの有用性が理解しやすくなる。
ゲーミフィケーションアプリ開発で重視すべき「体験」とは
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連載:ゲーミフィケーションをビジネスに組み込むこつ
- 第1回:ブームが過ぎたはずの「ゲーミフィケーション」が再び活性化の“謎”
- 第2回:「ゲーミフィケーション=楽しい」は幻想? アプリ開発の“泥臭い現実”とは
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ゲーミフィケーションのビジネス活用
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ゲーミフィケーションアプリケーションの設計を支援するコンサルティング会社Engaginglabの創業者でCEOのローマン・ラクウィッツ氏は、アプリケーションアーキテクトは「従業員の個人的な遍歴、すなわちライフサイクル全体に目を配らなければならない」と強調する。
ラクウィッツ氏はアプリケーションアーキテクトに対して、「趣味やスポーツはどのように観客を夢中にさせているか」に目を向けるようアドバイスする。同氏によると、ゲームは障害を克服することだ。ゲームでは、エンドユーザーは決定を下すことによって、自分の目の前で旅が展開する。「私たちは何かを解決することを強いられる。それを解決すると、次のレベルが待っている」(同氏)。エンドユーザーは先に進みたければ、もっと上達しなければならない。
実例の一つに、販売管理システムベンダーのsell & pickが開発したソフトウェアがある。同社のツールは、データ分析によってエンドユーザーが「自分は仕事のどのようなポイントが得意で、どこを改善する必要があるのか」を学ぶのに役立つ仕組みを搭載している。同社が提供する給仕係向けのリアルタイムツールには、データを収集してパターンを分析する機能がある。エンドユーザーは自分なりのやり方で、ツールが示すフィードバックに反応できる。
第5回は、ビジネスにゲーミフィケーション手法を取り入れた企業の事例を紹介する。
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