AI専門機関が考える「AI人材に本当に必要なもの」:AI人材不足の問題を考える【中編】
スウェーデンのAI専門機関は、国内外の組織にさまざまな人材プログラムを提供している。同機関の取り組みから見える、AI人材に欠かせないスキルとは何か。
スウェーデンにおけるAI(人工知能)技術の利用促進をミッションとするAI専門機関AI Swedenは、経験豊富で才能にあふれたAI人材を国外から呼び込もうとしている。同機関は将来のAI人材を生み出すための人材プログラムを提供する。どのような内容なのか。
AI Swedenが考える「AI人材に本当に必要なもの」とは?
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AI Swedenは、高校でAIスキルを習得した若い人材向けの、育成およびキャリア支援のプログラムを用意している。それだけではなく、修士課程の学生向けプログラムと専門学校生向けプログラムもある。これらは、自身の専門分野の仕事にどのようにAI技術を取り入れればいいのかを学ぶ内容となっている。プログラムに参加する学生の将来の仕事に生きるプログラムを提供する、というのが同機関の考えだ。
スウェーデンでAI関連職へ就くことを考えている人材は、「工学(エンジニアリング)スキルが欠如する傾向にある」とAI Swedenはみる。特に機械学習やコンピュータビジョン(コンピュータが画像や映像を認識する技術)の分野ではスキル不足が顕著だ。
AI Swedenで広報責任者を務めるミカエル・リュングブロム氏は、AI技術から価値を引き出すには複数の異なる視点が必要だと指摘する。科学と工学だけでなく、経済学やビジネスへの理解も求められるという。
2022年秋に、AI Swedenは新たに「データ準備」に関連するプログラムを開始する計画だ。データ準備には以下のような複数のスキルが求められる。
- データをクレンジング(重複の排除や表記揺れの修正など)するスキル
- 利用可能なデータを見分け、それを機械学習に活用するスキル
- データ量が少な過ぎるのか、多過ぎるのかを判断するスキル
- データに偏りが生じるタイミングを認識するスキル
機械学習モデルのトレーニングにデータを使う際、これらのスキルを発揮する必要がある。
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