HTMLは「CSS」と一緒ならプログラミング言語になれるのか?:HTMLは何者か【第2回】
「HTML」はプログラミング言語ではない。だが「CSS」との組み合わせであれば、プログラミング言語と呼べるのだろうか。
Webページのレイアウトやデザインを指定する一般的な手段が、「HTML」と「CSS」の組み合わせだ。HTMLがWebページのテキストを指定し、CSSが書体やページレイアウト、色といったWebページの外見を設定する。
よくある質問に「CSSはプログラミング言語なのか」「HTMLとCSSの組み合わせはプログラミング言語の基準を満たしているのか」というものがある。実際のところはどうなのか。一言で言うと、
- CSS単体も、HTMLとCSSの組み合わせのどちらもプログラミング言語ではない
ということになる。
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HTMLとCSSの組み合わせの“限界”
ソースコード共有サービス「JSFiddle」には、素数探索アルゴリズム「エラトステネスのふるい」を、HTMLとCSSで実装したプログラムが幾つか存在する。エラトステネスのふるいは複雑なアルゴリズムだ。エラトステネスのふるいが実装できることは、HTMLとCSSの組み合わせにより、CPUによる演算が活用できることを実証していると言える。
HTMLとCSSによるエラトステネスのふるいの実装には、特定の動作環境を決め打ちしてソースコードに指示を記述する「ハードコーディング」が必要な部分がかなりある。これはHTMLとCSSの組み合わせをプログラミング言語として扱う上で、さまざまな欠点があることを意味する。
開発者はCSSにおいて、HTMLの要素(エレメント)に分類名を割り振る「class」という仕組みを使うことで、特定のスタイルをエレメントに適用できる。プログラミング言語における変数としてclassを扱うことは現実的でない。classが保管するデータは限定的であり、汎用(はんよう)的なデータ保管に使えるわけではないからだ。
CSSは特定の条件に一致するHTMLエレメントに対してスタイルを適用できる。ただしプログラミング言語の「if」に該当する条件文と同等の、複雑な条件分岐ができるわけではない。ループ(繰り返し)処理もできない。こうした理由により、CSS単体およびCSSとHTMLの組み合わせをプログラミング言語だとみなすことはできない。
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