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「Google Workspace」でなぜ“オープンな空気”ができた?Googleで強化する「クラウドファースト」【第2回】

英国王立動物虐待防止協会(RSPCA)は2011年頃、従来のオンプレミスシステムを刷新し、Googleのクラウドサービスを採用した。何が変わったのか。

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 英国王立動物虐待防止協会(RSPCA)は2011年頃、従来利用していたメールシステムをクラウドサービスに移行した。採用したのはGoogleのクラウド型オフィススイート「Google Workspace」(旧G Suite)だった。

「Google Workspace」でなぜ“オープン”になった?

 Google Workspaceへの移行により、RSPCAはメールの他に、以下の機能も利用できるようになった。

  • ファイルの同期や共有ができるクラウドストレージ
  • オンラインでの文書作成
  • ビデオ通話

 RSPCAでITリソース部門のアシスタントディレクターを務めるニック・ジョージ氏は、これらの機能が同協会の業務に次のような変化をもたらしたと語る。

  • 「Google Docs」(Googleドキュメント)を用いたケースファイル(記録簿)のデジタル化
  • 「Google Meet」を用いたWeb会議の積極活用

 従来、RSPCAがメールシステムに使用していたのは旧Novell(2014年にMicro Focus Internationalが買収)の「Novell GroupWise」だった。コストが高額になりがちなことや、全職員がモバイルデバイスから利用するのが難しいといった問題があった。Google Workspaceに移行したことでこうした問題は解消し、職員全員がメールを利用できるようになった。それだけでなく、新たな職員が加わった際は即座にアカウントを付与できるようになった。

 Google Workspaceに移行したことで、RSPCAの職員は英国のどの場所からでも業務遂行が可能となった。同協会はイングランドとウェールズにある150カ所の支部と、56カ所の動物病院や診療所、野生動物保護センターから構成される。

 一人のインスペクター(動物査察官)は、Google Workspaceへの移行後は同じチームの職員と接触する機会が増えたと語る。システム移行前は月に1度、RSPCAの拠点に出向き対面会議を実施するのみだったが、システム移行後は必要に応じていつでも職員とチャットで連絡を取ることが可能になった。この結果、心のケアである「パストラルケア」の強化や協会内でのコラボレーション強化が実現した。

 クラウドサービス移行によってコストを抑制できたばかりでなく、「オープンな職場環境を作り出すことができた」とジョージ氏は語る。

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