DellのPCをサブスクで使えるPCaaS「Dell PC as a Service」とは?:PCaaS比較のための基礎知識【第4回】
Dellは同社製PCをサブスクリプションサービスとして利用可能にするPCaaS「Dell PC as a Service」を提供している。どのようなPCaaSなのか。主な特徴を紹介しよう。
PCベンダーの間で、PCのサブスクリプションサービス「PCaaS」(PC as a Service)を提供する動きがある。各ベンダーはPCaaSを提供することで、ユーザー企業のPC管理負荷の軽減を狙う。
ベンダーによってPCaaSのサービス内容は異なる。本稿は、Dell TechnologiesのPCaaSを詳しく説明する。
そもそも「Dell PC as a Service」とは?
連載:PCaaS比較のための基礎知識
- 第1回:「PCを買う」はもう古い サブスクPC「PCaaS」の正体とは?
- 第2回:PCはもはや買うものではない――「PCaaS」が生まれた理由
- 第3回:サブスクPC「PCaaS」を選ぶなら“これ”を確認すべし
Dell Technologiesの「Dell PC as a Service」は、同社のノートPCやデスクトップ、ワークステーション、ソフトウェアに加えて、PCの導入支援やメンテナンス、アセットリカバリー(デバイスの廃棄)、セキュリティなど、ライフサイクル管理に必要なサービスが含まれる。
Dell PC as a Serviceの料金体系
利用規模に応じて、Dell TechnologiesはDell PC as a Serviceに「PC as a Service for Business」「PC as a Service for Enterprise」という2つのプランを用意する。PC as a Service for Businessは、必要なPCが299台以下のユーザー企業を対象とし、PC as a Service for Enterpriseは300台以上のPCを必要とする複雑なユーザー企業を対象とする。PC as a Service for Enterpriseに含まれるサービスはPC as a Service for Businessとほとんど同じだが、サービスデリバリーマネジャーの支援が受けられる点や、利用できるオプションサービスが多い点が特徴だ。
利用料金はPCの種類や利用するオプションサービス、契約期間(36カ月または48カ月)によって異なる。ユーザー企業は月ごとに料金を支払い、初期利用料金はかからない。Dellは月額料金の例を公開している。例えばIntelのCPU「Intel Core i5-10210U」を搭載するDellの「Latitude 3410」を36カ月契約で利用する場合は、1台当たり月額26.38ドルになる。
Dell PC as a Serviceで使えるPCの主な機能
Dell PC as a Serviceで利用可能なDell TechnologiesのPCは、以下のような機能を搭載していることが特徴だ。
- Dell Optimizer
- エンドユーザーの作業方法を学んでPCを自動的に設定する内蔵型AI(人工知能)ソフトウェア。アプリケーションのデータ処理速度やデータ転送速度、PCのバッテリー持続時間の向上に役立つ。
- PC近接センサー
- PCに近づくエンドユーザーを検知するセンサー。同センサーとMicrosoftの生体認証機能「Windows Hello」を組み合わせることで、PCに近づくとシステムを自動的に立ち上げ、そのエンドユーザーのユーザーIDでログインできるようにする。その後エンドユーザーがPCから離れると、PCをロックする。
- Dell ProDeploy Client Suite
- IT部門のPCの導入作業を支援するサービス。PCのキッティングを自動化し、エンドユーザーが新しいPCを起動したらすぐに利用できるようにする。
- ProSupport Suite
- AI技術を使い、ハードウェアやソフトウェアの潜在的な問題点を予測してアラートを提供するサービス。このサービスには、Dell製品専門のエンジニアであるProSupportエンジニアのサポートを受ける権利が付属している。
第5回は、HPのPCaaS「HP Device as a Service」を詳しく説明する。
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