「GPU」や「Intel Developer Cloud」でIntelは“みんなのIntel”になれるか?:CPUからファウンドリーまでIntelの新構想【第3回】
データ量の増大や機械学習の普及といった変化に適応することは、ITの巨人Intelであっても容易ではなかった。こうした変化の中で同社が、ユーザーや開発者を引き付けるために打ち出すものは。
競合企業がひしめく中で、Intelは自社の競争力を高めるために、さまざまな製品やサービスを開発している。同社は開発者やユーザーを再び同社へと引き付けることができるのか。「GPU」(グラフィックス処理装置)やそれに関連する施策など、注目点を中心に見てみよう。
Intelは“みんなのIntel”になれるか?
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半導体とIntel関連のトピック
Intelはプロセッサ「Intel Core」の第13世代や単体GPU「Intel Arc」をはじめ、多彩な新製品を発表した。データセンター向けで注目の製品の一つが「Intel Data Center GPU Flex」だ。深層学習およびコンピュータビジョン向けの開発ツール群「OpenVINO」、オープンソースソフトウェア(OSS)の機械学習ライブラリ「TensorFlow」や「PyTorch」を稼働させることができる。
「Intelの最新GPUは企業に低価格帯の選択肢を提供し、その結果として同社の競争力を高めることになる」。そう語るのは、調査会社Futurum Researchの共同設立者兼プリンシパルアナリストで、マーケティング会社Broadsuite Media GroupのCEOを務めるダン・ニューマン氏だ。
ニューマン氏は、Intelが機能や仕様に加えて価格でも競争しようとしている点に注目する。「IntelはGPUの新製品を投入することで、守勢から攻勢へ転じることが可能になる」(ニューマン氏)
Intelの戦略の変化は、「Intel Developer Cloud」の提供にも表れている。Intel Developer Cloudは、一般提供の開始前に、開発やテスト用として同社のCPUやGPUなどの新製品をいち早く提供するサービスだ。Intel Developer Cloudを通じて開発者がIntelの技術に親しむことで、「AIの民主化」(誰もがAI技術を使えるようになること)が進む可能性がある。
開発者を重視するIntelの戦略は「企業のIT担当者やさまざまな開発者を引き付ける後押しになる」とニューマン氏は語る。
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