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豪銀行が「CX推進に必要不可欠」とみる“あの技術”とは:銀行が取り組む「CX」【中編】
オーストラリアの銀行CommBankは「CX」(顧客体験価値)強化に取り組む。どのような要件が求められ、どの技術を用いて解決しようとしているのか。
従来、銀行は独自の販売チャネルで金融商品を提供してきた。金融機関と他分野の企業が提携する動きが広がったことにより、銀行が扱わなければならない新たな技術的な要件が誕生している。「CX」(顧客体験価値)分野への投資を強化するオーストラリアの銀行Commonwealth Bank(CommBank)の事例を紹介する。
銀行が「CX」推進で目を向けた技術とは
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CommBankで最高デジタル責任者(CDO)を務めるフレデリク・リンドストローム氏は、通信事業者やエネルギー会社といった提携企業のシステムと安全かつ簡単に連携するために、以下のような技術の活用を広げていると話す。
- クラウドコンピューティング
- アプリケーションプログラミングインタフェース(API)
- マイクロサービス(独立して動作する小規模サービスで構成するシステム設計)
一方でリンドストローム氏は、こうした技術を利用することは容易ではないと警鐘を鳴らす。「これらの技術はいずれも簡単に利用できるものだ。しかし、APIやマイクロサービスを手当たり次第に呼び出してクラウドサービスにリフト(移し替え)すれば、元の状態よりも悪化する恐れも大いにある」(同氏)
リンドストローム氏はこうした試みについて、「一つ一つが大きなトランスフォーメーションであり、一晩で成し得るものではない」と付け加え、CommBankの取り組みについて紹介する。以下はその一例だ。
- 再利用可能なAPIを備えた設計に移行する
- マイクロサービスの統一性と一貫性を強化する
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