元Accenture“すご腕”女性リーダーはなぜPepsiCoの「DX」を引き受けたのか:メーカー幹部が語る「DXの全貌」【第2回】
世界各国で食品や飲料品の事業を手掛けるPepsiCo。同社のDXを率いる女性リーダーが、業務を引き受けるきっかけとなった出会いとは。
世界規模で飲食料の事業を展開するPepsiCoは2021年、デジタルトランスフォーメーション(DX)に関する5カ年計画を発表した。この計画を推進するのが、最高戦略責任者(CSO)兼最高変革責任者(CTO)を務めるアシーナ・カニョーラ氏だ。同氏は、University of Sheffield(シェフィールド大学)で博士号を取得した後、ITコンサルティング企業Accentureに13年間勤務。2020年9月にPepsiCoに入社した。
カニョーラ氏にPepsiCo入社を決断させた出会い
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DXを進める役職者の実務
カニョーラ氏によると、同氏のこれまでのキャリアは常に理論に基づいてきた。Accentureでコンサルタントに従事していた頃は、業界をまたぐさまざまな問題を分析した。問題の共通点を見いだし、業務を改善に導くための能力開発に取り組んできた。
PepsiCoに入社した理由の一つは、コンサルタント時代に同社と仕事をしたことがなかったからだとカニョーラ氏は振り返る。自身がITのバックグラウンドを持っていることから、PepsiCoの成長曲線を新たな段階に引き上げる機会は十分にあると考えたと、同氏は説明する。
カニョーラ氏はPepsiCoへの入社前、同社の会長兼CEOラモン・ラグアルタ氏と話をする機会を得た。「ラグアルタ氏は優れた先見の明を持つ人だった」と同氏は語る。ラグアルタ氏は短期的な業績だけを重視するのではなく、消費者と従業員にとってより良い体験を創造し、変革を続けることが長期的な成功の鍵だと強調した。
CSO兼CTOとしてのカニョーラ氏の業務はこうだ。全社規模でのデジタル化計画を監督すると同時に、700人以上のデータエンジニアやソフトウェアエンジニア、データサイエンティストで構成されるチームを統率する。企業戦略、M&A(合併と買収)、DX、データ分析、人工知能(AI)技術の活用といった業務分野の責任者でもある。
PepsiCoで与えられた役割を通じて、戦略を策定し、戦略を実行するためのデジタル技術活用の計画を練り、速やかに実行するという、DXのプロセスに取り組む機会がカニョーラ氏に与えられた。「このプロセスを実行するためにはデータ分析やAI技術、ソフトウェアエンジニアリングをはじめとした知識が必要になる」と同氏は語る。
第3回は、カニョーラ氏がDXを進めて得た成果と、そのためにどのような支援を受けたのかを探る。
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