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「活クラウドから脱クラウド」を避けるために知るべき“クラウドコストの真実”「クラウドファースト」戦略の手法とリスク【後編】

「クラウドファースト」を採用しながら「脱クラウド」が必要な状況に陥らないためには、クラウドサービスのメリットに加えてリスクも把握する必要がある。クラウドファーストで考慮すべき主なリスクと対策とは。

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 システムのインフラとしてクラウドサービスを優先的に採用するIT戦略「クラウドファースト」を採用するユーザー企業は、クラウドサービスのリスクに注意する必要がある。自社に合ったインフラを選び、クラウドファーストを成功させるにはどうすればよいのか。クラウドサービスの3つのリスクのうち2つ目と3つ目のリスクと、それぞれの解消法を説明する。

2.“脱クラウド”したくなる「実は高過ぎるコスト」

 クラウドサービスは、需要に応じてインフラの規模を迅速に拡縮できる点がメリットだ。これは同時に、利用料金が変動しやすいことを意味する。利用料金が予想以上に高騰すると、クラウドサービスの利用を続けることが難しくなり、システムをオンプレミスインフラに戻す「脱クラウド」のきっかけになる。

 利用料金の想定外の高騰を避けるためには、ユーザー企業はクラウドサービスにシステムを構築する前に、データ転送量の変動幅を予測することが大切だ。クラウドサービスの利用料金が最高でどのくらい掛かるのかを試算して、実際の利用料金が予算内に収まるようにする。

 初めてクラウドサービスを利用するユーザー企業は、クラウドサービスでのシステム開発・運用のスキルが不足していたり、関連するツールの準備ができていなかったりすることがある。こうしたユーザー企業がクラウドサービスを新しく利用すると、想定外のコストが生じやすい。コストの超過を招かないようにするには、テストが欠かせない。

3.見落としてはいけない「セキュリティ」と「コンプライアンス」

 システムのセキュリティとコンプライアンスを維持するには、クラウドサービスで扱うデータの保管や利用の方法に気を付ける必要がある。既存システムのクラウドサービス移行を検討するユーザー企業は、重要なデータやシステムをオンプレミスインフラに残すことで、セキュリティ対策の負荷を軽減できる。

 クラウドサービスとオンプレミスインフラを組み合わせたハイブリッドクラウドを運用するユーザー企業は、複数のインフラ間でデータを転送するために利用するAPI(アプリケーションプログラミングインタフェース)に対して、セキュリティ対策を講じる必要がある。VPN(仮想プライベートネットワーク)によるアクセス管理も有効なセキュリティ対策だ。

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