コンタクトセンターのクラウドサービス「CCaaS」はなぜ売れないのか:次世代コンタクトセンターの主役は「AI」【後編】
言葉として広く知られている製品/サービスが、実際に広く使われているとは限らない。コンタクトセンターのクラウドサービス「CCaaS」はまさにそうだと専門家は説明する。なぜCCaaSは使われないのか。
「CCaaS」(Contact Center as a Service)という言葉は登場以来、企業向けIT市場でよく用いられるようになった。CCaaSとは、コンタクトセンターシステムのクラウドサービスのことだ。調査会社McGee-Smith Analyticsの創業者で、プリンシパルアナリストであるシェリア・マギースミス氏によると、実際にCCaaSを利用している企業はそれほど多くない。
だから「CCaaS」は売れない
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CCaaSの市場がいまひとつ盛り上がっていない現状は、ユーザー企業が新しいコンタクトセンター技術の導入に慎重なことを示す。コンタクトセンターは顧客のデータを確実に保護しなければならない。そのためユーザー企業は、コンタクトセンターに新技術を導入する際、セキュリティとコンプライアンスを特に重視する傾向があるからだ。
コンタクトセンターシステムベンダーは、セキュリティとコンプライアンスの観点から、ユーザー企業を確実に保護することが不可欠になった。CCaaSの場合、自らインフラを持ち、セキュリティ対策をインフラに組み込むことができるベンダーの方が、インフラを持たないベンダーよりも優位だと言える。
ユーザー企業は、データの出どころがどのくらい信頼でき、安全なのかを評価するようになっている。人工知能(AI)技術における、教師データ選択がもたらす影響を理解し始めたことが、その背景にある。教師データのバイアス(偏り)はAIモデルの出力結果を左右し、時に差別的な出力結果を生み出すことにつながる。
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