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Adobeの社内業務は「RPA」や「AI技術」でどう変わったのか? CIOに聞いたAdobeが注視する“これからの技術”【中編】

Adobeのシンシア・ストッダード氏は、同社のCIOとしてRPAやAI技術の導入などさまざまな施策を統括している。その取り組みをどのように進めているのか。ストッダード氏に聞いた。

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 画像やPDFファイルの編集ソフトウェアのベンダーとして知られるAdobeの最高情報責任者(CIO)シンシア・ストッダード氏は、注力する取り組みの一つに従業員エクスペリエンス(業務における従業員の体験や経験)の向上を挙げる。「Adobeには、多種多様なツールやサービスをテストして導入するための土壌がある」とストッダード氏は語る。「RPA」(ロボティックプロセスオートメーション)の導入は、同氏の功績の一つだ。

 ストッダード氏は2021年、RPAベンダーUiPathの協力を得て、RPAの導入と活用について調査した。その時点で同氏は、RPAといった自動化ツールだけでなく、機械学習をはじめとしたAI(人工知能)技術の重要性も認識していた。RPAやAI技術は、AdobeにおけるITの活用にどのような影響をもたらしたのか。

自動化技術の導入がAdobeにもたらした変化

 一連の取り組みの目的は、全従業員の業務効率化につながる有用な技術を提供することだという。RPAの活用において、Adobeはまず請求書や発注書の処理を対象業務に選定した。「RPAをどのように使えば役に立つかに重点を置いた」とストッダード氏は説明する。

 その後、Adobeが重要視する観点は、AI技術と自動化を業務にどう当てはめるかに移った。「機械学習などのAI技術を使った取り組みを、さまざまな分野や製品のサポート業務に拡大している」とストッダード氏は説明する。高度な分析に少しずつ着手したいと考える従業員から、複雑な作業に取り組むデータサイエンティストまで、多種多様な考えを持つ従業員の要望に応えるための利用環境作りを進めているという。

 Adobeはノーコード/ローコード開発ツール群「Microsoft Power Apps」も使用している。ストッダード氏はMicrosoft Power Appsについて「営業部門の運用担当者の間で人気だ」と評価する。営業部門の運用担当者は簡単なアプリケーションを自ら作成できるようになった。「シチズンデベロッパー」(ITを専門としない開発者)向けガイドラインを社内で用意しており、「それがうまく機能している」という。


 後編は、Adobeの従業員を支えるに当たり、ストッダード氏が何を重視しているのかを紹介する。

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