「障害に強いネットワーク」の作り方 レジリエンスと冗長性を確保するには?:クラウドに最適なネットワークとは【第3回】
ネットワークは予期しないトラブルが生じて停止することがある。ネットワークチームはダウンタイム発生に備えなければならない。どうすればいいのか。
ネットワークの誤設定、デバイスの欠陥、悪天候など、ネットワークを混乱させる可能性のある問題は数え切れない。そのためネットワークチームは、ネットワークのレジリエンス(障害発生時の回復力)と冗長性を確保する必要がある。
レジリエンスを確保できている状態とは、ネットワークの構成変更や機能停止が起きても、接続性をユーザーに提供できる状態のことだ。
レジリエンスや冗長性を獲得する方法は
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クラウドファーストのネットワーク構築
ネットワークチームは障害や災害に備えて、ネットワークを復元するための復旧計画を策定しておくべきだ。この計画には、データのバックアップ、災害復旧(DR)テスト、インシデント対応などの対策を盛り込む必要がある。
クラウドベンダーは、ユーザーがネットワークのレジリエンスと冗長性を実現できるよう、さまざまなツールやサービスを提供している。例えばクラウドサービス群「Amazon Web Services」(AWS)は、以下のツールを提供している。
- ロードバランサーの「Amazon Elastic Load Balancing」
- ドメイン名とIPアドレスの変換を担うDNS(ドメインネームシステム)サービス「Amazon Route 53」
冗長化は、データやアプリケーションが常に利用可能であることを保証し、ダウンタイムや停止を回避する仕組みのことだ。基本的にはロードバランシング、データレプリケーション、フェイルオーバークラスタリング(複数のサーバを束ねて障害時に切り替える仕組み)など、さまざまなメカニズムを使用する。
冗長性を確保するときは複数の視点から考える必要がある。
- 地理的な冗長性
- 複数の拠点間でデータを複製する。1つのデータセンターが影響を受けても、他のデータセンターは安全なままであるべきだ。
- ハードウェア
- 複数のフォールトトレラント(無停止型)マシンを使用してソフトウェアを処理し、サービスの中断を回避する。
- ビジネスプロセス
- 請求や在庫管理といったビジネスプロセス単位で、システムが停止しないようOSやアプリケーションを複製しておく。ビジネスプロセスごとのデータをバックアップしておくだけでも、復旧が容易となる。
第4回はネットワークのサービス品質と自動化について解説する。
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