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Linuxで複数ファイルのバックアップに使える「tar」コマンドとはLinuxコマンド「tar」の使い方【中編】

Linuxでは「tar」コマンドを使うことで、アーカイブファイルの作成や復元ができる。コマンドを使いながら、アーカイブファイルを作成する手順を紹介する。

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Linux | OS | バックアップ | 運用管理


 OS「Linux」では、「tar」コマンドを使うことで複数のファイルを1つにまとめたアーカイブファイルの作成や、復元ができる。ここではtarコマンドを使いながら、ファイルのアーカイブを作成する手順を紹介する。

Linuxで複数ファイルをバックアップする手順

 ここでは、お使いのLinuxにtarがインストールされていることを前提にしている。

 まず以下のコマンドを実行して、バックアップと復元の作業対象となるファイルを幾つか作成する。

$ cd ~
$ mkdir projects
$ cd projects/
$ touch file1.txt file2.txt file3.txt
$ echo "File 1 Contents" > file1.txt

 これでホームディレクトリ(ユーザーごとに割り当てられるディレクトリ)に「projects」という名前のディレクトリができ、そこに3つのテキストファイルが配置されているはずだ。

 次の表は、アーカイブを作成する際の主なtarオプションを示している。

オプション オプションの説明
-c アーカイブファイル(複数のファイルをまとめたもの)を作成する。これはバックアップコマンドだと考えてほしい。
-v tarコマンドが完了したときに出力を返す。これは必須ではないが、コマンドがどのファイルをアーカイブにコピーしたのかを確認するのに便利だ。
-f アーカイブファイルを指定する。これは必須。
-r 既存のアーカイブにさらにファイルを追加する。

 projectsディレクトリにいることを確認し、以下のコマンドを入力する。これで「backup.tar」というアーカイブが作成される。

$ tar -cvf backup.tar *.txt

 このコマンドは、「backup.tar」というアーカイブを作成し、拡張子「.txt」を含む全てのファイルをコピーし、コピーしたファイル名を表示するためのコマンドだ。これには上の表の「-v」オプションが入っているが、このオプションなしでも問題なく動作する。

 「-r」オプションは、既存のアーカイブにファイルを追加するためのものだ。例えば3つのファイルを含むアーカイブを作成した後で、4つ目のファイルを忘れていたことに気付いたとしよう。その場合、-rオプションを使うことで4つ目のファイルを追加できる。以下のようにコマンドを入力する。

$ touch file4.txt
$ tar -rf backup.tar file4.txt

 時折、特定のファイルをアーカイブに含めないようにしたい場合がある。その場合は--excludeオプションを使用することと、指定したファイルがアーカイブの対象外になる。

 ここまでに、アーカイブを作成し、対象のファイルをコピーするところまでの作業ができた。


 次回は対象のファイルが消失したことを想定して、復元のコマンドによる操作方法を紹介する。

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