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「CentOS Linux」から代替Linuxへの“賢い移行方法”とは:「CentOS」サポート終了でやるべきこと【第4回】
「CentOS Linux」から他の「Linux」ディストリビューションに移行する際、企業はさまざまな課題をクリアしなければならない。スムーズな移行を実現するためのポイントを解説する。
Red Hatの無料「Linux」ディストリビューション(配布パッケージ)「CentOS Linux」が2024年6月にサポート終了を迎えた。企業はCentOS Linuxからの移行先を選定する以外にも、さまざまな作業を実施しなければならない。スムーズな移行を実現するためのベストプラクティスと、移行を機にシステム最適化を実現するための方法を紹介しよう。
「CentOS Linux」から代替OSへの賢い移行方法はこれだ
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連載:「CentOS」サポート終了でやるべきこと
- 第1回:「CentOS Linux」終了で企業システムが直面する“崖っぷち”の真実
- 第2回:CentOS Linuxの後継「CentOS Stream」が“完全な代替策”にはならない理由
- 第3回:「CentOS Linux」終了からの代替ディストリビューション“4選”はこれだ
CentOS LinuxのEOL
CentOS Linuxの移行先としては、複数のLinuxディストリビューションが候補になる。以下はその一例だ。
- RHEL
- AlmaLinux
- Rocky Linux
- SUSE Linux Enterprise Server(SLES)
代替Linuxディストリビューションを選択する以外にも、以下の点を考慮することで、システム全体の改善を図れる可能性がある。以下の選択肢を含め、どの選択肢が自社にメリットをもたらすのかを検討しよう。
- インフラの最適化
- ベアメタル(物理)サーバか仮想マシン(VM)かを選択する。
- オンプレミスシステムかクラウドサービスかを選択する。
- Linuxディストリビューションの統合
- 利用中の他のLinuxディストリビューションを洗い出す。
- 複数のLinuxディストリビューションを運用する上での課題を検討する。
- CentOS Linuxの代替ディストリビューションに統一することで、システムの一貫性と保守性の向上が図れる。
移行ツール
CentOS Linuxからの移行を支援するツールの例を以下に挙げる。
- Red Hatの「convert2RHEL」
- CentOS Linux 7をRHEL 7またはRHEL 8に変換するツール。
- Red Hatの「Leapp」
- RHEL 7からRHEL 8へのアップグレードツール。
- CentOS Linux 7からRHEL 8への移行も可能。ただしRocky LinuxなどのRHELと互換性のあるLinuxディストリビューションへの移行は対象外。
- AlmaLinuxで利用できる「ELevate」
- CentOS Linux 7から「AlmaLinux 8」「CentOS Stream 8」などのLinuxディストリビューションに移行する際の設定や構成の変更を支援する。
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