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普通のクラウドにはない「ソブリンクラウド」だけの魅力とは?:ソブリンクラウドの長所と短所【中編】
クラウドサービス利用時のセキュリティや法規制への対応を不安視する企業の間で「ソブリンクラウド」への関心が高まっている。ソブリンクラウドのメリットとは。
データ保護に関する各国の法律や規則にのっとることを保証したクラウドサービス「ソブリンクラウド」への注目が集まり、ソブリンクラウド市場は成長を続けている。企業にとって、ソブリンクラウドが魅力的な選択肢になる理由とは何か。ソブリンクラウドの主なメリットをまとめた。
「ソブリンクラウド」だけの魅力とは?
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連載:ソブリンクラウドの長所と短所
ソブリンクラウドを導入する理由
ソブリンクラウドは、一般的にはそのクラウドサービスが存在する国の法規制の範囲内で、データの保存や処理が完結することを保証している。その主なメリットは以下の通り。
- クラウドサービスとしての基本機能
- スケーラビリティ(拡張性)、災害復旧(DR)、一定の可用性や冗長性といった、一般的にクラウドサービスに付随するメリットを享受できる。
- データの制御
- データを保存する場所を、指定した境界内に指定できる。
- 災害復旧時のフェイルオーバー(待機系への切り替え)先のシステムも特定の境界内に指定できる。
- 転送中のデータが特定の地域の外に出ないようにするために、データだけでなくツールやサービスも指定の境界内に配置される。
- コンプライアンス(法令順守)の簡素化
- クラウドサービス内のアプリケーションやデータに、データ管理やアクセス制御の正しいポリシーが自動的に適用されるため、コンプライアンスの確保にかかる手間やコストを減らすことができる。
- ソブリンクラウドのベンダーは、法令に加えて業界独自の規制や要件を満たすための、データ保護機能やセキュリティ対策機能などのコンプライアンス関連機能を提供する。
- 医療や航空、宇宙、インフラなどの業界はデータに関して特に慎重な取り扱いを求められることがある。ソブリンクラウドを採用することでその要件を満たせる可能性がある。
ソブリンクラウドを提供しているベンダー
以下に大手クラウドベンダーが提供するソブリンクラウドのサービスを示す。
- Amazon Web Services(AWS)
- AWS GovCloud
- AWS European Sovereign Cloud(2025年末までにサービス開始予定)
- Google
- Google Sovereign Cloud
- IBM
- IBM Cloud for Government
- IBM SmartCloud for Government
- Microsoft
- Microsoft Cloud for Sovereignty
- Oracle
- Oracle Government Cloud
- Oracle EU Sovereign Cloud
次回は、ソブリンクラウドを利用する際の課題を解説する。
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