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いまさら聞けない「クラウドネットワーク」とは? クラウドの真価を引き出す鍵:定番から応用までネットワークを学ぶ【第4回】
ネットワークは、その目的や規模によって、幾つもの種類に分かれる。クラウドサービスの品質を左右する「クラウドネットワーク」について解説する。
ITシステムにおいて、ネットワークは情報伝達の要だ。ネットワーク担当者はさまざまなネットワークの特性を理解することで適切な設計につながり、ネットワークの性能を引き出すことができる。特にクラウドサービスの品質はネットワークの性能によって大きく左右される。クラウドサービス内のリソース間を接続する「クラウドネットワーク」について解説する。
クラウドサービスの性能を引き出すネットワークとは
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連載:定番から応用までネットワークを学ぶ
- 第1回:いまさら聞けない「LAN」「無線LAN」「Wi-Fi」「VLAN」「PAN」の違い
- 第2回:いまさら聞けない「CAN」と「MAN」の違い 大学がよく使うネットワークとは
- 第3回:いまさら聞けない「WAN」と「GAN」の違い ネットワークの範囲は地球全域?
ネットワークは違いを明確に
クラウドサービス内のサーバや仮想マシン(VM)、ストレージ、アプリケーションなどのリソースを相互接続する仮想的なネットワークを指す。クラウドネットワークはクラウドコンピューティングに欠かせない。
企業が自社のネットワークをクラウドサービスのネットワークに移行および統合できれば、LANやWANなどのネットワークをインターネット経由で管理できる。
クラウドネットワークの主な特徴は以下の通りだ
- 拡張性
- クラウドサービスベンダーは必要に応じてリソースをスケールアップまたはスケールダウンできる。そのため、コンピューティングや帯域幅の要件に応じてネットワークを最適化できる
- コスト削減
- クラウドサービスベンダーが要件に応じてリソースの使用量を変更するため、企業はネットワークの過剰プロビジョニングを防止でき、コストを削減しやすくなる
- 仮想化したネットワークインフラの方が、物理的なネットワークインフラに比べて導入と保守のコストが安価になる傾向にあるため、コストの削減を期待できる
- 信頼性
- クラウドサービスベンダーはフェイルオーバー(待機系への切り替え)や冗長性機能など、信頼性を高める手段を幾つも用意している
クラウドネットワークの主なユースケースは以下の通りだ。
- テレワーク
- クラウドネットワークに保存されたデータにエンドユーザーはどこからでもインターネット回線を利用してアクセスできるため、クラウドネットワークはテレワークに適している
- マネージドサービス
- ネットワークの管理業務を外注したいと考えている企業は、外注先がインフラや接続を管理するために結果としてクラウドネットワークを導入する
次回は「CDN」(コンテンツデリバリーネットワーク)について紹介する。
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