「電源を切るだけ」では済まない

AIの「キルスイッチ」とは? 自律型AIの安全対策と米英で進む法規制の最新動向

AIモデルやAIエージェントの能力、自律性が高まる中、問題が発生した際に人間が介入し、システムを停止できる仕組みの重要性が増している。本稿は、米国政府やAIベンダーの動向を紹介する。

 AIエージェントが人間の想定を超えて行動したとき、誰が、どのように止めるのか――。AIの自律性が高まる中、この問いが研究上の議論から、現実のセキュリティ対策や法規制のテーマへと変わりつつある。

 米国では2026年7月、強力なAIシステムの開発者に、対象システムを減速、停止できる技術的能力の維持を求める「AI Kill Switch Act」が連邦議会に提出された。OpenAIは同年8月、研究環境のセキュリティ強化などを目的に、実環境への提供を想定した最新モデルの強化学習(RL)を2週間停止したと明らかにした。

 背景にあるのは、AIモデルやAIエージェントの能力向上に対し、「問題が起きたときに人間が介入できる仕組み」が追い付かなくなることへの懸念だ。英国のNCSC(National Cyber Security Centre)も、エージェント型AIを設計、運用する組織に対し、問題発生時に自律的な活動を即座に停止できるようにすることを求めている。

AIエージェントを「止める」仕組みが現実の課題に

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この記事の著者

Alex Scroxton
Alex Scroxton

米TechTargetの電子週刊誌『Computer Weekly』でセキュリティ分野の記事編集を手掛ける。同社の電子月刊誌『MicroScope』で記者を務めた後、2014年5月からComputer Weeklyの編集に従事。2003年、サセックス大学(University of Sussex)で社会人類学の学士号を取得している。

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