2016年07月26日 08時00分 UPDATE
特集/連載

無意識の利用がリスクを招く弁護士に学ぶ、オープンソースの法的リスクとその管理方法

オープンソースは必要に応じて積極的に活用する価値がある。だが、不用意な利用は法的なリスクを伴う。弁護士の立場から見た、オープンソースとのつきあい方を紹介する。

[Daniel Hedley,Computer Weekly]
Computer Weekly

 オープンソースソフトウェアは、今さら指摘するのもためらわれるほど、文字通り至るところに普及している。データセンター、デスクトップ、ブラウザ、携帯電話など、あらゆる場面で利用されている。

Computer Weekly日本語版 7月20日号無料ダウンロード

本記事は、プレミアムコンテンツ「Computer Weekly日本語版 7月20日号」(PDF)掲載記事の抄訳版です。本記事の全文は、同プレミアムコンテンツで読むことができます。

なお、同コンテンツのEPUB版およびKindle(MOBI)版も提供しています。

ボタンボタン

 ハイテク業界全体にその勢力を広げているオープンソースだが、現在のようにこの種のテクノロジーを誰でも手軽に利用できるようになったのは、その方法論とライセンス供与モデルが確立されていたからだ。

 本稿の読者なら、パーミッシブ型ライセンスとコピーレフト型ライセンスの類似点と相違点、そしてコピーレフトは頒布行為によって核心的な義務事項が発生する点については既に知識があると想定して、ここでは詳しく説明しない。これらについて再確認したい場合は、Copyleft.orgなどに分かりやすくて詳細な説明が記載されている。本稿ではその代わりに、オープンソースソフトウェアを利用した結果、実務上発生するリスクに重点を置いて話を進める。このリスクは、次の2種類に大別される。すなわち規約違反のリスク(訴訟)とセキュリティのリスク(PWNされる=制御を奪われる)だ。

 規約違反のリスクは、オープンソースソフトウェアがライセンス(使用許諾)を受けたソフトウェアであるという事実に潜んでいる。つまり、その所有権は他の誰かにあり、ユーザーは一定の条件の下に、当該ソフトウェアの利用と頒布だけが認められているにすぎない。その条件に違反すると、ソフトウェアの所有者から提訴される場合がある。また、提訴は単なるお題目ではなく、実際に行われる確率も高い。ここでは2例を挙げるにとどめるが、ドイツの法廷では、(Linuxコントリビューターであるクリストフ・)ヘルビィク氏対VMwareの係争が現在も続いている。また、米カリフォルニア州で最近Versataという企業が起訴された件では、規約違反が主な争点となっている。

 そうはいっても、コピーレフトが問題になるのはソフトウェアの利用ではなく頒布を行った場合に限られる。従ってソフトウェアの販売事業に積極的に関与していない限り、コピーレフト型の規約違反の大部分は、法的な係争にまでは至らない。

 弁護士は概して規約違反リスクに対して色めき立つ傾向にある。ただしその理由はほとんど、同じ弁護士の立場から言わせてもらえば、コピーレフトを巡る係争が単に派手だからだ。むしろ大抵の業界においてより差し迫った懸念があるのはセキュリティリスクの方だ。

ITmedia マーケティング新着記事

news060.jpg

大日本印刷とSMN、丸善ジュンク堂書店が保有する書誌データなどを活用した広告配信プラットフォームで協業
大日本印刷が、グループの丸善ジュンク堂書店、ハイブリッド型総合書店hontoの「本の通販...

news090.jpg

広告コミュニケーションを「ヒアリングファースト」で一方向から双方向へ
「Forbes 30 Under 30 Asia」に選出された気鋭の起業家の目に映る次世代の広告体験とはど...

news022.jpg

Webアナリティクス、日本の市場規模は米国の14%以下
他社はどのツールを導入しているのか。営業インテリジェンスデータサービス「Datanyze」...