RPAやWorkplace Analyticsを活用
アクセンチュア、IBM、マイクロソフトの働き方改革、技術はどう役に立ったか
パネルディスカッション「働き方変革とテクノロジー」に、アクセンチュア、日本アイ・ビー・エム、日本マイクロソフトから3人が登壇した。3社の取り組みとその効果は。
内田洋行が主催する「Change Working Forum 2018」が2018年6月11日に開催され、働き方改革にテクノロジーを活用している3社がパネルディスカッション「働き方変革とテクノロジー」を行った。参加した宇佐美 潤祐氏(アクセンチュア)、石田秀樹氏(日本アイ・ビー・エム)、小柳津 篤氏(日本マイクロソフト)による自社の取り組みや提案を紹介する。
アクセンチュアの取り組み
アクセンチュアは、採用と就業に関する取り組み「Project PRIDE」を実施している。宇佐美氏はこの取り組みについて、「アクセンチュアで働く全ての人々が、プロフェッショナルとしての在り方に自信と誇りを持てる未来を創造する、全社員イノベーション活動」と説明する。
取り組みを進めるに当たり、PC操作業務をソフトウェアロボットで自動化するロボティックプロセスオートメーション(RPA)や人工知能(AI)などのテクノロジーを活用している。宇佐美氏はアクセンチュアが独自開発した、人事に関する問い合わせ用のAIチャットbot「Randy-san」を例に挙げ、「複雑な社内制度について問い合わせると、即座に適切な回答をしたり、社内手続きの担当者へ誘導したりする。Randy-sanを利用すると従業員の問い合わせに終日対応でき、問い合わせ対応に必要な人員コストを削減できる」とメリットを語る。同社はRandy-sanをはじめとしたAIテクノロジーの導入で、従業員からの問い合わせ対応にかかる時間を年間約5万5000時間削減することを見込む。
Project PRIDEの結果、従業員の平均残業時間が1人当たり1日1時間に減少、有給取得率が70%から85%になるなどの効果がみられたという。
「IBM Watson」を利用したワークスタイル
日本アイ・ビー・エムの石田氏は働き方改革について「業務効率性を高めて生産性向上を狙うのではなく、業務の在り方を見直して付加価値を創造することで競争力を生むことが大事」だと語る。
石田氏はIBMが開発したAIシステム「IBM Watson」の働き方改革への活用法として、RPAとの組み合わせを提案する。
例えば顧客対応窓口で利用する場合、顧客との会話と問い合わせに対する回答をWatsonが担当し、システム操作やメールの作成、送受信をRPAが担当する。WatsonとRPAの利用によって、顧客対応が24時間自動でできるようになると同氏は説明する。人間は、Watsonが回答できない高度な問い合わせ内容への対応など、付加価値の高い業務に集中できるという。
現在、Watsonのテクノロジーは、「企業の会議の議事録を読み込み、問題点や課題を指摘して人間の意思決定の補助ができるところまで来ている」と石田氏は話す。
「いつでもどこでも誰とでも」マイクロソフトの働き方
小柳津氏はパネルディスカッションで、日本マイクロソフトの労働管理について説明した。
育児中など特別な時に、一部の人が家で働くための制度や環境を逐一作る手法は、ワークスタイルが多種多様になるにつれ破綻すると小柳津氏は言う。
こうした考えに基づいて日本マイクロソフトが実践しているのは「誰もがいつでもどこでも働ける」という働き方のモデルを作り、時間と場所にかかわらず仕事ができる環境を整えることだ。小柳津氏はこのワークスタイルの実践に当たり、全ての業務をクラウドで完結できる環境が必要だという。クラウドにある情報は、ネットワーク環境があればどのような場所でも利用可能だからだ。
小柳津氏は、業務の全クラウド化には「例外の対応や処理をなくし、仕事を極限まで小さくすることが必要」と説明する。その第一歩が、現状の業務の可視化だ。日本マイクロソフトは、作業や会話の履歴は個人の仕事内容を分析する「Microsoft MyAnalytics」とチーム単位で分析する「Microsoft Workplace Analytics」を業務の可視化に生かしている。MyAnalyticsとWorkplace Analyticsは、各従業員の会議やメールの内容、集中的に業務をした時間などを可視化すると同時に、AIエンジンを使って業務の状況を分析して、気付きとなるアドバイスを提供する。従業員ごとの行動履歴と分析は、これらのツールからメールで毎週送られてくるため、個々の業務の改善につながるという。
「2020年にはWorkplace Analyticsを組織情報や人事情報、顧客情報、財務情報など他のデータと合わせて分析できるようにし、プロジェクト・組織・人がどのような流れで物事を進めているのか明らかにしたい」と小柳津氏は展望を語る。
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