仮想知的労働者とは何か
「ロボティックプロセスオートメーション」(RPA)についてCIOが知るべきこと(1/2 ページ)
本稿ではISG Insightsのスタントン・ジョーンズ氏が、さまざまな種類の仮想知的労働者(Digital Labor)について解説する。また、仮想知的労働者の導入を始める方法について最高情報責任者(CIO)にアドバイスを送る。
サービス業界では、ソフトウェアロボットの導入が急速に進むだろう。ソフトウェアロボットは「仮想知的労働者(Digital Labor)」とも呼ばれ、金融サービス業界では既に採用されている。その目的は、これまで人間がやってきた仕事のうちルールに基づくルーティンワークを自動化することだ。他の業界もこの動きに追随することが予想される。CIOが仮想知的労働者の採用について調査していないとしたら、その企業は大幅な効率化とプロセス改善の機会を失うことになる。
スタントン・ジョーンズ氏は米シカゴで2016年12月に開催された「Digital Business Summit」において、以上のことを覚えておいてほしいと伝えた。同氏はITコンサルタント企業Information Services Group(ISG)で研究部門のディレクターと主席アナリストを兼務している。
ジョーンズ氏の定義によれば、仮想知的労働者とは人間のように作業を実行したり人間の意思決定方法を模倣したりするソフトウェアを指す。本稿では、仮想知的労働者のさまざまな種類や考えられるユースケース、リスク、メリットについて同氏に聞いた。また、将来を見据えたCIOのために、仮想知的労働者の採用を始める方法についてもアドバイスしてもらった。
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――仮想知的労働者の各種類とその潜在的なユースケースについて教えてください。
ジョーンズ氏 仮想知的労働者には3つのレベルがある。それを説明するために1つ例え話をしたい。ここに地図があるとしよう。あなたは、地点Aから地点Bに移動しようとしているところだ。この地図上で把握しているのは1つのルートだけで、他の人には毎回必ずこのルートを進んでほしいと考えている。このような状況に対応する仮想知的労働者をレベル1としよう。このレベルの応用では、ロボティックプロセスオートメーション(RPA)というテクノロジーが用いられる。このようなRPAシステムは、自動化されて人間のように動作する。主な採用分野としては、人事、財務、経理、顧客サービスなどが挙げられる。レベル1の仮想知的労働者は「回転いす」型のアクティビティを自動化する。つまり、タスクを実行する複数のアプリケーション間を人間がせっせと操作しなければならない作業のことだ。
レベル2では、目的地に向かうルートが地図上に複数存在することが分かっている。この種類の仮想知的労働者は、目的地に向かう最適なルートを見つけるのに役立つ。自分が地図上のどこにいても、現在地の状況に応じて最適な経路を探してくれる。これはエキスパートシステムに分類され、ITのような分野で主に応用されている。レベル2の仮想知的労働者は、特定分野に特化したユースケースで活用される。具体的には銀行や保険会社などだ。こうした組織は詐欺の検出やコンプライアンスに、このようなエキスパートシステムを使用している。
最後に紹介するのはレベル3だ。レベル3の場合、地図はあるが目的地にたどり着くルートは分かっていない。このレベルに相当する仮想知的労働者は機械学習システムだ。機械学習システムは大量のデータを与えることで、そこから学習する。地図の例え話で表すなら、データから学んだことに基づいてルートを導き出すということだ。
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