情シスの作業工数を「ほぼゼロ」に

「夜間バッチ遅延」「保守の属人化」の恐怖 “全面刷新しない”ERP移行の教訓

月間60万件超のデータ連携で夜間バッチが遅延すれば、現場の業務に深刻な被害が出る。ERP運用の属人化という“時限爆弾”を抱えていたゼロが、全面刷新を見送って新バージョンへの移行を決断した理由は。

 法改正のたびに基幹システムの改修を重ねると、メンテナンス工数が肥大化し、特定の担当者しか仕様を把握していない「ブラックボックス化」に陥ってしまう。自動車輸送や整備を手掛けるゼロも、そうした“システムの限界”に直面していた。同社は2014年から国産ERP(統合基幹業務システム)「GRANDIT」を運用してきたが、月間60万件超のデータ連携に伴う夜間バッチ処理の遅延や保守の属人化といった課題が情報システム部門の負担になっていた。外部委託による紙の請求書発送で到着までに約1週間を要していた他、「Microsoft Excel」を用いた手作業による予算実績管理など、非効率な業務が現場の負荷を高めていた。

 システムの老朽化に対し、企業は「最新の別システムへの全面刷新」を理想にしがちだ。ゼロもGRANDIT以外の製品を含めて比較検討をしたが、最終的に選んだのはGRANDITの新バージョンへの移行だった。立ち上げ期間の長期化リスクを回避し、これまでの実績と移行の確実性を重視した現実的な判断の裏には、情報システム部門が限られた人員を「真に解決すべき課題」に集中させるための戦略があった。

「他社製品への全面刷新」を見送った現実的な理由

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