AIは恐れるよりも歓迎すべきもの
「人工知能(AI)が人の仕事を奪う問題」を笑い飛ばす人
人工知能(AI)ソフトウェアが普及すると人間の職が奪われるのではないかと懸念する声がある。だが、ある専門家はそうした影響は少なく、むしろ労働者にとって有益だという。
人工知能(AI)ソフトウェアはいよいよ目覚ましい進歩を示している。その一方で、雇用への影響を不安視する声もある。
一部のAIソフトウェアは、カスタマーサービスエージェントのような特定の仕事を自動化することを目的としているが、今後AI技術の汎用化が進めば、ブルーカラー、ホワイトカラーを問わず、現在人間が従事しているほとんどの仕事を自動化できるようになるという意見もある。
だが、Arria NLGの創業者の一人で、同社の最高戦略責任者を務めるマット・グールド氏は、AIの未来について何も恐れる必要はないと話す。同社は自然言語で書かれたビジネスレポートを生成するAIを開発しているソフトウェア会社だ。このインタビューで同氏は、多くの企業においてAIの導入が進めば、労働者が失うものより得るものの方がはるかに多くなると語った。
――AIソフトウェアは雇用にどのような影響を及ぼすでしょうか?
マット・グールド氏(以下、グールド氏) これまでのあらゆる自動化技術が及ぼした影響と同じです。それが歯車でも機織り機でもワードプロセッサでも、人間は自動化によって創造的な活動に従事する自由を手に入れ、それに満足しています。自動化はより多くの機会を生み出します。自動化は仕事を奪うものではなく、仕事に変化をもたらすものです。それも概してよい変化をもたらします。私たちは今、AIによって大きな転換点を迎えようとしています。これをうまく乗り越える必要がありますが、かつての自動車製造ライン自動化のように、雇用喪失を招いてコミュニティーや生活を破壊するようなことにはならないでしょう。私たちがAIで自動化しようとしているのはホワイトカラーの作業であり、それがもたらす影響は有益なものになります。恐れるよりも歓迎すべきものです。
――AIソフトウェアが普及すると、労働者はそれを使いこなすための新しいスキルを求められるのではないでしょうか?
グールド氏 それは“将軍は1つ前の戦争を戦う”という考え方です。人は過去の経験を根拠にまた同じことが起こると考えがちです。農業の自動化や製造ラインの自動化では、そのせいで職を失った人々がいました。今回の変化がそれと違うのは、特定の業務スキル全体を自動化するのではなく、専門知識を自動化して単調で骨の折れる部分だけを排除するということです。そのせいで仕事がなくなると言うのは、ワードプロセッサのせいで速記者の仕事がなくなると言うようなものです。少しはそうした影響があるとしても、素早く効率的に文書を生成してリアルタイムに共有できるようになれば、社会のあらゆるレベルの多くの人が多大なメリットを受けられます。
――将来の方向性について楽観的にお考えですが、もっと悲観的な人も大勢います。AIソフトウェアに悲観的な考えの人へ伝えたいメッセージは?
グールド氏 これは過去にも起こったことであり、初めてのことではありません。過去の歴史において、このような変革や技術革新が急速に広まったことは何度もあり、総合的に見れば利益をもたらしてきました。過去の変革と比べると、今回の変革は害の少ない有益なものになる可能性を持っています。業種によっては圧迫を受けることもあるでしょう。紙の電話帳の仕事をしていた人々やセールスの人々は「Google」で影響を受けました。確かに一部では痛みもありますが、ほとんどの人はその長所を受け入れ、Googleがない方がよかったとは思わないでしょう。全く困難がないとは言いません。変化の到来を認識しようとするのは正しいことだと思いますが、それが総合的に好ましい変化になるということも分かってほしいと思います。新たに多くの職が生み出され、それはより興味深い仕事になるはずです。
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