Column
オフショアリングは大企業の専売特許ではない
適切なパートナーと組めば中堅・中小企業もオフショアリングを活用できる。
オフショアリングに関するニュースのほとんどは、大規模なIT業務委託契約に焦点を当てている。例えば、ゼネラルモーターズやグローバル銀行のABNアムロは、いずれもアプリケーション開発業務の一部をインドに移すと発表している。こうしたオフショアリング契約の中には、契約金額が10億ドル近いものもある。
だが、オフショアリングは大企業の専売特許ではない。中堅・中小企業もオフショアリングを活用することができる。とはいえ、IT業務を遠い国に移すのは、設計仕様を隣の部署に渡すのとはわけが違う。オフショアリングでは周到な管理が必要になる。
そのため、海外に移したいプロセスや作業の評価を行わなければならない。その作業はどれだけうまく実行されているか。オフショアリングによってどのような改善を目指すのか。こうした点を明確にする必要がある。IT業務に混乱が生じている場合、その解決を期待して海外委託してはならない。それではさらに大きな混乱に見舞われるハメになる。
オフショアリングを成功させるための第1歩は、単なるコスト削減以上の恩恵をもたらしてくれるサービスプロバイダーを選ぶことにある。だが、適切な委託先を見つけるのは大変なことだ。プロバイダーは、何千キロも離れた場所にいながら、あなたの会社の知的財産を扱うことを許される存在だ。あなたの会社の業務はプロバイダーの業務の質に左右されることになる。以下では、プロバイダーを探すにあたって何を求めるべきかを紹介しよう。
「IT業務のオフショアリングは米国経済にとって是か非か」という議論は、論点が間違っている。企業は自社の競争力について、そしてオフショアリングによって業績を上げられるかどうかに注意を払うべきだ。企業は競争力を保つことによってのみ雇用を維持、創出できる。つまり問題は、オフショアリングが有益かどうかではなく、オフショアリングによっていかに競争優位を築けるかだ。
オフショアリングに関するニュースのほとんどは、大規模なIT業務委託契約に焦点を当てている。例えば、ゼネラルモーターズやグローバル銀行のABNアムロは、いずれもアプリケーション開発業務の一部をインドに移すと発表している。こうしたオフショアリング契約の中には、契約金額が10億ドル近いものもある。
だが、オフショアリングは大企業の専売特許ではない。中堅・中小企業もオフショアリングを活用することができる。とはいえ、IT業務を遠い国に移すのは、設計仕様を隣の部署に渡すのとはわけが違う。オフショアリングでは周到な管理が必要になる。
そのため、海外に移したいプロセスや作業の評価を行わなければならない。その作業はどれだけうまく実行されているか。オフショアリングによってどのような改善を目指すのか。こうした点を明確にする必要がある。IT業務に混乱が生じている場合、その解決を期待して海外委託してはならない。それではさらに大きな混乱に見舞われるハメになる。
オフショアリングを成功させるための第1歩は、単なるコスト削減以上の恩恵をもたらしてくれるサービスプロバイダーを選ぶことにある。だが、適切な委託先を見つけるのは大変なことだ。プロバイダーは、何千キロも離れた場所にいながら、あなたの会社の知的財産を扱うことを許される存在だ。会社の業務はプロバイダーの業務の質に左右されることになる。以下では、プロバイダーを探すにあたって何を求めるべきかを紹介しよう。
業界ノウハウ
業界のプロセスに精通したパートナーを選択しなければならない。オフショアリングを行う目的は、調達、製造、物流、サービスといった業務のITおよびビジネスプロセスの改善だろう。メーカーがサプライチェーン管理の改善を目指す場合には、ERPに関する豊富な実績を持ち、ソフトの提供元と密接な関係を築いているパートナーと組むべきだ。
非常に大きな企業でなければ、ビジネスパフォーマンスの向上にITをどう活用するかを常に追求してはいないだろう。例えば、ITを利用して顧客ヘルプデスク業務の効率化と改善を図る場合、大企業は自らの業界をリードする先進的な取り組みを行うことができる。だが中堅・中小企業も適切なパートナーと組めば、自社に合った取り組みを進められる。
パートナーとしての適性
オフショアリング市場が拡大するとともに、オフショアサービスプロバイダーの規模も拡大する。どうすれば会社が求める対応やサービスをプロバイダーから受けられるだろうか。中堅クラスのプロバイダーを選ぶという手もあるかもしれない。だがそのプロバイダーが、あなたの会社の成長に合わせてサービス体制を拡充したり、要望する地域をカバーしたサービスを展開できるとは限らない。パートナー候補に成長計画を尋ねてみるとよいだろう。
また、どのような規模のパートナーと組む場合でも、オープンな姿勢を持っているか、経営陣とコンタクトしやすいかをチェックすることが重要だ。パートナー候補について、「業務の透明性が確保されているか」「顧客がサービスレベルを選択しやすいように、各サービスレベルの内容と料金を明示しているか」「CEOと週末に連絡が取れるか」といった点を確認しておきたい。
ただ、どのような関係にもトラブルはつきものだ。オフショアパートナーから遠く離れているため、トラブルが起きた場合に早期に発見して対処できるとは限らないかもしれない。そこで安全弁として、会社とパートナーの間で考え方を一本化しておくことが極めて重要になる。パートナーから、「あなたの会社のビジネス上の利益を自社にとっても利益ととらえて業務にあたる」という保証を得る必要がある。そして会社とパートナー企業は、完全性の追求や品質へのコミットメントといったビジネスの価値観を共有しなければならない。
適切なパートナーと組むことで、オフショアリングによってプロセスの改善や事業の競争力向上といった大きなビジネス成果を実現することができる。そしてオフショアリングは企業にとって、コスト削減の手段にとどまらない強力な武器になる。
本稿筆者のジェームズ・チャンピー氏は、ペロー・システムズのコンサルティング部門会長兼同社戦略責任者。また、ベストセラーの『Reengineering the Corporation』(邦訳:リエンジニアリング革命―企業を根本から変える業務革新/日本経済新聞社)、『Reengineering Management』(邦訳:限界なき企業革新―経営リエンジニアリングの衝撃/ダイヤモンド社)、『The Arc of Ambition』、『X-Engineering the Corporation』の著者でもある。
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