マイクロソフトのストレージ戦略に迫る!【第2回】
データ保護分野の戦術を読む
マイクロソフトの今後のストレージ戦略を日米で追求する。第1回~3回は米国よりの最新レポートである。
「Windows Storage Server」のメジャーアップグレードに向けた準備が進む中、マイクロソフトは本気でストレージ分野のメジャープレイヤーを目指し始めた。そこで、TechTargetではマイクロソフトの今後のストレージ戦略を日米で追求する。第1回~3回は米国よりの最新レポートであり、「ファイルサービングとNAS」「データ保護」「リモートオフィスのサポート」「SAN(Storage Area Network)」という4つのマイクロソフトの機能分野に沿って、同社の技術的進歩を把握していく。これら4つの分野におけるマイクロソフトの戦略を把握すれば、自社のストレージ環境において、いつ、どのような分野でマイクロソフトの製品を検討すべきかを適切に判断することができるようになるだろう。第2回はデータ保護機能の詳細をレポートする。
使いやすさを意識したデータ保護
マイクロソフトは昨年、「System Center Data Protection Manager(以下、DPM)」ソフトウェアをリリースした。これは、ディスクベースのソフトウェアリカバリ・アプリケーションである。現行版のDPMは、使いやすさという点で画期的な製品であり、ディスクベースのリカバリ機能を小規模なファイルサービング環境において実現したが、制約もある(図「Data Protection Managerバージョン1.0の長所と短所」を参照)。しかし、3台のサーバのライセンス価格を995ドル(追加ホスト1台に付き150ドル)に設定したマイクロソフトは、高度なデータ保護製品の価格に対するユーザーの認識を変えつつある。
DPM1.0は、管理が容易なディスクベースのバックアップアプリケーションである。これはWindows Server 2003が動作する専用サーバ上に置かれ、NASおよびSAN方式のストレージをサポートする。DPMでは、データ保護対象の各ファイルサーバにエージェントを配備する必要がある。サーバの検出、ウィザード方式のインストールおよびセキュリティ管理には、Active Directoryを利用している。
またDPMは、バイトレベルのレプリケーションとマイクロソフトのスナップショット技術「Volume Shadow Copy Services」(以下、VSS)を組み合わせることによって、復元オブジェクトを作成する。ユーザーが指定した復元イメージを1日に最大8個作成することができる(1ボリュームに付き64個まで)。
DPMは、任意の時点への復元が可能な連続型リカバリ製品ではない。データの変更をVSSのレプリカと同期化させるためにDPMが利用するログは、1時間に一度作成されるだけであるため、一部のデータが失われる可能性もある。しかし、直前の有効なレプリカへの復元を自動化するチェックポイント機能によって、優れた復元効率を実現している。主要ベンダーの従来型テープバックアップアプリケーションとのAPIの連携もサポートされている。長期アーカイブ保存のためのテープソリューションと組み合わせれば、DPMは中小規模のWindowsファイルサーバ環境用の低コストのデータ保護製品として利用することができる。
DPMの活躍分野は、今後さらに広がるものとみられる。というのも、マイクロソフトは、将来のリリース(バージョン2.0は年末に登場する見込み)では、SQL Server、Exchange、SharePoint Serverおよび2007年にリリースされるLonghorn Serverとのダイレクトなアプリケーション連携をサポートするとしているからだ。そのほかにも、ベアメタルリカバリ、高可用性、SANインテグレーション、集中管理インタフェースといった改善が予定されている。DPMは2年以内に、本格的なエンタープライズクラスのデータ保護製品としての体裁を整え(Windows専用ではあるが)、今日のミッドマーケットを支配するEMC、IBM、シマンテックおよび新興企業各社の製品と対抗できるようになるかもしれない。
データ保護分野の戦術として、マイクロソフトは巨大なインストールベースを利用し、破格の価格設定でユーザーの間に浸透を図る考えだ。その後で、本格製品となるバージョン2.0でしっかりお金を払ってもらおうというわけだ。マイクロソフトは以前にも同様の戦術で成功しているため、3~4年以内に同社がデータ保護ソフトウェア分野で恐るべき強豪として頭角を現すと考えて間違いなさそうである。
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