非技術的要素も考慮しているか
ディザスタリカバリ計画の注意点
リカバリが行われる際、非技術的な要素のせいで難航してしまう場合が極めて多い。幾つかの具体的なケースを挙げながら、DR計画の注意点を紹介しよう。
企業がディザスタリカバリ(DR)や関連するテストに、より注意を払うようになっているのは好ましいことだ。DR計画を最新に保つだけでなく、DR計画のテストも繰り返し実施する傾向が強まってきている。
データセンターのDR計画は、総合的なビジネス継続計画(BCP)の一環として、災害にかかわる技術的および非技術的な側面を踏まえ、それらに対応できるものにしなければならない。だが、実際にリカバリが行われる際には、非技術的な要素のせいで難航してしまう場合が極めて多い。以下では、幾つかの具体的なケースを挙げながら、DR計画の注意点を紹介しよう。
わたしの顧客のほとんどにとって、電子メールはますます「ミッションクリティカルな」アプリケーションとなっている。電子メール機能が1時間ダウンしただけでも、ヘルプデスクに電話が殺到する。災害が発生すると、あなたが設定しているリカバリポイント目標(RPO)とリカバリタイム目標(RTO)に応じて、電子メールは一定時間ダウンすることになる。だが、電子メールが迅速に復旧しなかった場合も想定して、対策を立てなければならない。企業の電子メールシステムやアドレス帳、過去の電子メールへのアクセスに問題が生じる可能性が考えられる。災害発生後に電子メールがすぐに利用できない場合に備えて、リカバリチーム全員が代替の電子メール(Gmail、Yahoo! Mail、Hotmailなど)を利用できるようにしておくとよいだろう。
電子メールが使えないと困ってしまうが、携帯電話が使えないとなるともうお手上げだ。災害の種類によっては、携帯電話が不通になる恐れは十分ある。通話の集中や携帯事業者側のトラブルがその原因になる可能性がある。また、これらのせいでボイスメールが使えなくなる心配もある。DR計画では、音声通信の代替手段も用意しておかなければならない。重要なDRスタッフのために、衛星電話やそのほかの選択肢に投資することも考慮すべきだ。
DRではロジスティクス上の問題も重要だ。DRサイトへのアクセスが何よりも先決となる。災害発生時にDRサイト運用に最優先で対応するスタッフを決めておくのが望ましい。こうしたスタッフは、少なくとも最初のリカバリステップの一部を直ちに開始できる。だが、リカバリ計画の成功の鍵を握るのは、スタッフの主要メンバーだろう。そこにDRの難しさがある。災害の種類によっては、主要スタッフが直ちにリカバリ作業に当たるのは無理かもしれない。インターネットやWAN回線、VPNなどによるDRサイトへのリモートアクセスに支障が出る可能性もある。会社への道路が閉鎖されていたり飛行機が欠航していれば、DRサイトにスタッフを実際に派遣することはままならないだろう。あなたの会社のDR計画に、こうした状況が織り込まれているだろうか。
また、会社のすべてのパートナー、ベンダー、コンサルタントなど、リカバリプロセスに影響を与え得る「外部リソース」についても検討しておく必要がある。例えば、サポート電話が混雑するかもしれない。こうした関係先の重要なリソースがほかの会社に振り向けられてしまう恐れもある。部品や在庫製品がすぐに入手できないこともあり得る。重要な契約先が、リカバリ業務は契約の範囲外だと考える可能性もある。
DR計画において、起こり得るすべての問題に完全に対応するのは明らかに不可能だ。しかし、ここ数年の災害や障害の事例を振り返ると、DR計画で必ず想定しておくべきリスクや可能性があることが分かる。BCPとDR計画では、災害にかかわる技術的および非技術的な側面を考慮に入れ、計画のテスト段階でもそれらの側面に対処するようにしなければならない。
本稿筆者のビル・ペルズス氏は、GlassHouse Technologiesのデータセンターおよびビジネス継続&ディザスタリカバリサービス担当副社長。
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