グリーン=効率的
グリーンなネットワークアーキテクチャ構築のために
グリーンなネットワークを維持し、帯域幅、電力、予算の無駄を省くために実装できる効率的なネットワーク設計の具体的なノウハウを提供する。
ここ数年、「グリーン」を叫ぶ声が高まっている。ニュースで流れ、屋外広告や雑誌で目にし、そして不幸なことに、自分の財布でも実感している(ガソリンを満タンにするのに65ドルも掛かるのだ)。支持政党や環境問題意識の有無を問わず、エネルギー経費が増大している事実は否定できない。消費者として、わたしたちは日々の家計の非効率性のツケを実感する。経営者はネットワーク設計に責任を持つ者として、営業経費でこうした非効率性を実感している。
なぜこれが重要なのか。インターネットバブルがはじけた90年代後半、生き残ったのは効率化の手段を見つけた会社だった。その同じ会社が今、人員を削減せずに効率性を一層高める方法を模索している。そして、それには考え方と業務遂行方法の全局面が含まれる。本稿では、この「グリーンの波」に貢献している幾つかの要素について、ネットワーク設計に絡めて解説する。
グリーンの要素
グリーンであるとはどういうことか。それは尋ねる相手による。ITインフラのカーボンフットプリント(人間活動による地球温暖化への影響を把握するための指標)や残留影響については、環境のことなのでここでは詳しくは触れない。しかし「グリーン」であることは根本的に、効率的であることに尽きるといえる。効率性とは、特にネットワークアーキテクチャにおいては幅広い意味を持つ用語だが、鍵となる要素が幾つかある。
- 消費
- 統合
- 管理性
- ライフサイクルコスト
各要素は互いに関係があり、そのシナジーによって「トータルシステム」の外観が形成される。
次の図はその関係を示したものだ。
各要素の枠がグラデーションになっているのには意味がある。グリーン度には実際に濃淡があることを示すのが目的だ。この要素をすべて網羅した設計にすることは可能かもしれないが、1つのみにスポットを当ててもメリットを出すことが可能だ。
適用可能な要素の分析
設計上の観点から見ると、実際にネットワーク設計に適用できると考えられる要素は「消費」と「統合」だ。
消費とは幅広い意味を持つ用語だが、多くの場合、サーバ、ルータ、スイッチ、ファイアウォール、SANといったネットワーク構成要素の電力とスペース利用を表す意味で用いられる。もっとも、この用語に関連付けられるポイントはほかにもあるが、こちらはそう簡単には区別できない。下の表では消費に関して考慮すべき点を整理した。
| 効率性の要素 | 業界指標 | 追加要素 | 設計原則 |
|---|---|---|---|
| 消費 | 電力(KW)利用とスペース | ・ポート密度 | 最新の省エネ部品を使った技術中心の設計。マルチサービスネットワーク要素を活用し、新機能利用のために追加設備を必要としないシンプルかつ拡張性の高い設計を心掛ける |
| ・無線対応 | |||
| ・冗長性過剰排除 | |||
| ・GBIC vs. SFP vs. WDM | |||
| ・メディアの種類(光ファイバー vs. 銅線) |
統合は、消費にまつわる問題回避、管理性向上の手段提供、そして結果的にサポート経費削減につながり得る優れた設計オプションだ。インフラ統合の技術には次の2つがある。
- 仮想化(サーバ、ファイアウォール、SAN、ルータ、スイッチ、デスクトップPCを含む)
- ルータ/スイッチモジュールベースの導入(Cisco Systems製品用の「FWSM」「WSM」「RSM」「VPNSM」など)
| 効率性の要素 | 業界指標 | 追加要素 | 設計原則 |
|---|---|---|---|
| 統合 | サーバ仮想化 | ・ファイアウォール仮想化 | テスト済みで安定性があり、実行可能であれば、ネットワークインフラを1つの要素に統合する。シンプルな設計を保ち、技術をニーズに合わせられる余地を残す |
| ・VSAN(バーチャルSAN※) | |||
| ・モジュールサービスを使ったシャーシ型の要素 | |||
| ・WDM技術 |
※物理的な単一のSAN上に複数の論理的なSAN環境を構築するCiscoの独自ソリューション
このアプローチには、軽く考えるべきではない注意点があることも指摘しておく。特に以下の3点だ。
- セキュリティ
- 拡張性
- 実装時期
「グリーン化」の真の秘けつは、こうした要素を犠牲にすることなく原則を適用することだ。そうでないと、設計そのものに組み込まれた利益が損なわれる恐れがある。
結論
統合を通じた消費削減は、結果的に管理性向上とライフサイクル経費削減、つまり「グリーン」なインフラにつながる。こうした原則をエンジニアの間に浸透させれば、結果的に組織は効率性を通じて得られた節減のメリットを享受できるようになるだろう。
本稿筆者のダグ・ダウナー氏はH2H Holdingsの社長。H2Hは設備からITに至るまでミッションクリティカルソリューションを包括的に提供し、効率的でインテリジェントな先端の統合ソリューションを専門としている。
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