MBSAでセキュリティ更新管理
MS純正のセキュリティ検査ツールMBSAを使いこなす
WindowsのMBSAは十分には活用されていないようだが、セキュリティアップデートの適用状況をチェックするのに役立つツールだ。
Microsoft Baseline Security Analyzer(MBSA)はWindows 2000が登場したときから存在し、無料かつ有用でありながら、多くのWindows環境でいまだに十分活用されずにいる。MBSAはWindows環境をスキャンしてセキュリティアップデートの適用状況をチェックするのに役立つ。直近では2008年5月にアップデートされて、Windows VistaとWindows Server 2008に対応した。最新バージョンのMBSA 2.1はMicrosoftから入手できる。
MBSA 2.1はユーザーインタフェースが更新され、これまでのバージョンよりも使いやすくなった。用語に日常的な単語が使われるようになり、アナライザは情報がうまく整理されて、付いていきやすくなった。図1が示す通り、フォーマットはWindows VistaやWindows Server 2008にあるWindows Security Centerの全体的なルック&フィールに溶け込んでいる。
MBSAの準備
MBSAのGUIバージョンはどんなPCにも個別にダウンロードしてインストールできる(32ビット版Vista用はmbsa2mux86.exe、64ビット版Vista用はmbsa2mux64.exe)。図1の通り、インストール後はそのマシン用のリポートが作成される。MBSAのコマンドラインバージョンである「Mbsacli.exe」も、デフォルトで同じディレクトリ(C:\Program Files\Microsoft Baseline Security Analyzer)にインストールされる。
MBSAはPCごとでもワークグループベースでも十分機能するが、アーキテクチャは企業のネットワークを含め、あらゆる規模のネットワークに対応している。こうした機能を活用するには、IPアドレスのレンジを巡回するスクリプトを備えたMBSAのコマンドラインバージョンを使うといい。アナライザはすべてのリポートをPCのMBSAディレクトリに保存するが、その後の分析と修正のため、コンソール出力用にネットワーク上の共有フォルダを指定することもできる。Microsoftはこの作業を支援するため、役に立つサンプルスクリプトのセットまで用意している。
図2はIPアドレスの値に基づくサンプルスキャンを示している。ここでは特定のマシン群、すなわちプライベートIPクラスCネットワーク192.168.1.x、ノード番号2~5番(これは、たまたまわたしのローカルワークグループと一致する)のリポートを作成するためのシンプルなコマンドの例を示した。日付を「Workgroup Report 2-22-2009」というリポートのファイル名に組み込むと、コマンドは次のようなものになる。
上記のテキストをBATファイルに挿入し、必要に応じてリポート名とIPアドレスのレンジを操作するだけで、リポートのタイトルとIPアドレスのレンジをさまざまに変え、ローカルサブネットのコレクション全体をとらえたスクリプトを作成できる。また、/dドメインネームスイッチを使い、ターゲットドメイン内の全コンピュータをスキャンすることもできる。
MBSAはデフォルトで、MicrosoftのWindows Updateサーバの中の1台からWindowsアップデートの現行のカタログにアクセスする。しかし、独自のセキュリティベースラインを持つエンタープライズ環境では、MBSAをカスタマイズして別のサーバにアクセスするようにもできる。オフラインのスキャンが必要なネットワークのセキュリティを守るため、ソフトウェアを配布する特定のキャビネット(CAB)ファイルをターゲットにすることも可能だ。
MBSAの以前のバージョンでは、各ターゲットクライアントをスキャンするために必要なWindows Update Agent(WUA)が自動的にインストールされていた。バージョン2.1でもこのオプションは存在するが、デフォルトで無効にされ、管理者が自社のネットワーク上でのMBSAの動作をコントロールできるようになった。もっとも、ターゲットクライアントが適切なバージョンのWUAを実行していなければ、MBSAはスキャンを完了できない。このソフトがないPCは、エージェントソフトが更新されるかインストールされるまでスキャンはできない。
Windows Server Update Services(WSUS)のローカルインストールで更新が管理されている環境では、MBSAはUpdate Servicesサーバを使うよう指示されるだけかもしれない。現役のWSUSサーバが割り当てられていないクライアントでは、MBSAのターゲットになっているときはスキャンできないというエラーメッセージが出る。この設定は、管理者が管理対象のPCのみにMBSAスキャンを適用する手段として利用できる。そうでない場合、スキャンはWindows Updateオンラインからの最新データにのっとって行われる(MBSAのデフォルト動作モード)。
MBSAの利用
MBSAはさまざまな興味深い管理上の脆弱性チェック(ローカルアカウントのパスワードの特性、不完全な更新、パスワードの期限切れ、Windowsファイアウォール、自動更新、ファイルシステム、自動ログオン、ゲストアカウント、匿名制限、管理者アカウントチェック機能を装備)機能を提供している。また、IIS(Internet Information Services)とSQL Serverのスキャン、およびクライアントとサーバマシンの分析も可能だ。このように多数の機能を備えたMBSAは、特にスケジュールを組んだセキュリティスキャンや検査の一部として、定期的に使う価値がある。多くの組織は毎年実施し、月1回または四半期に1回の頻度でチェックを実施しているところもある。MBSAを使い始めてみれば、どんな情報が提供されるかがつかめるだろう。ユーザー数、ソフトとサーバの変更頻度、クライアントとサーバへのセキュリティアップデート適用方法に応じて、スクリプト式のMBSAスキャンを年に2~12回の頻度で実施できる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
「Excel至上主義」の終わらせ方 丸2日の手作業地獄から情シスと現場を救うには
-
2
「Microsoft 365のセキュリティ運用」に関するアンケート
-
3
取手市がVDIと決別した理由 更改費用「4倍超」を約1.7倍に圧縮
-
4
急増する「AIはこう言ってる」マン 判断を狂わせる「AI忖度」を防ぐには?
-
5
221人調査で分かった「情シス最大のストレス」は?
-
6
「Salesforceのテスト自動化ツール」に関するアンケート
-
7
IT製品の導入に関するアンケート「サーバ&ストレージ」編
-
8
「データストレージの活用方法」に関するアンケート
-
9
「AI時代の統合基盤・エンタープライズAI管理」に関するアンケート
-
10
自宅のWi-Fiが「遅い」「途切れる」本当の原因は? Dellが推奨する鉄則
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
年収2000万「クラウドセキュリティのプロ」になれる資格とは
-
2
セキュリティソフトをすり抜ける標的型攻撃メール、不審メールの見破り方とは?
-
3
Windows Updateの通信集中で回線が逼迫、ネットワーク刷新事例に学ぶ解決策
-
4
財務を戦略的組織へ進化させるAI活用術、4つの主要な障壁と解消方法
-
5
「NAS」「SAN」「DAS」は何が違う? いまさら聞けないストレージの基礎
-
6
“あのファイル転送”で暗躍するノーウェアランサム
-
7
標的型攻撃メールを見破るには? サンプル文面を例に傾向を解説
-
8
商用利用の安全性を確保し大量のコンテンツを高速で生成する、AI活用の秘訣
-
9
マンガで解説、1日で生成AI環境を構築できるワークショップの中身とは?
-
10
Dark AIが台頭する時代の新発想、「より高度なAIで対抗する」具体的方法とは?
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー