ホワイトペーパーレビュー
「品質向上に役立つテスト手法」が分かる3つのホワイトペーパー
短期間でのシステム開発が求められる昨今だが、その品質を低下させることはできない。開発の終盤に控えるテストは、その品質保証の最後のとりでともいえる。本稿では、テスト手法を掲載した3つのホワイトペーパーを紹介する。
日本におけるソフトウェアテスト技術者資格認定を運営する「JSTQB(Japan Software Testing Qualifications Board)」の標準用語集では、「テスト(testing)」は次のように定義されている。
成果物が定義した要件を満足するかを判定し、目的に合致することを実証し、欠陥を見つけるため、ソフトウェア製品や関連成果物に対し、計画、準備、評価をすること。全てのライフサイクルを通じて実施する静的、動的なプロセス。
一口にテストといっても、「全てのライフサイクルを通じて実施する静的、動的なプロセス」と定義されているように、その種類や技法は多種多様だ。システム品質の向上に、より効果的なテスト設計やその実施をするためには、どうすればよいだろうか。
本稿では、TechTargetジャパンのホワイトペーパーダウンロードセンターに登録されているホワイトペーパーの中から、品質向上に役立つと思われるテスト手法を掲載している3つのホワイトペーパーを紹介する。
負荷テストで失敗しないためには
高い負荷が掛かった状態でも、システムが正常に稼働するかどうかを検証する“負荷テスト”。このホワイトペーパーでは、筆者の経験を踏まえて負荷テストにおける失敗例を基に「テストを成功させるためには、“テスト計画書の策定”が重要である」とし、負荷テストにおける計画書の作成を勧めている。また、負荷テスト計画立案のための12のポイントを紹介している。
そのポイントとは、負荷テストの明確な目的の設定、対象システムの特徴の把握や負荷量・アクセス推移の分析、テストシナリオや判断基準、スケジュール、テストチームの体制など、多岐にわたる。
さらに、このホワイトペーパーではテスト計画における目標値に対する見通しやデータ収集、負荷量の分析、チューニングの方法・手段などに関する実例を挙げ、それらの多くは事前に議論や文書化することで回避できる問題だと論じている。
しかし、負荷テストはシステム開発の最終段階で実施されるため、実際の現場では時間的な制約を受けることが多い。また、そういった状況における計画書の作成は、担当者により負担を掛けることにもなりかねない。
この点に関して、計画書の立案自体は開発の上流工程で取り組めることであり、それにより問題を事前に予防できるメリットは大きいと説明している。負荷テストの改善を検討されている方は、一度目を通してみてはいかがだろうか。
負荷テストに関連したホワイトペーパー
システム品質のボトルネックは要件定義だった!?
「ソフトウェア開発プロジェクトで見つかるすべての欠陥のうちの56%は、その根本要因が要件定義フェーズで発生している」(James Martin『An Information Systems Manifesto』より)
ソフトウェア開発では、要件の変更が頻繁に起こる。しかし、その要件変更がすべて適切に管理されていると言い切れるだろうか。要件とテストケースの間のトレーサビリティが維持されていないと、変更した要件に対する適切なテストが実施できず、システム品質が低下する要因にもなる。
このホワイトペーパーでは「要件定義とその管理こそがソフトウェア品質を左右する重要な工程である」とし、“要件に基づくテスト(RBT:Request Based Testing)”というアプローチを紹介している。
RBTでは、以下の3点を重点的に取り組むという。
- ソフトウェア要件との強固な連携
- ソフトウェア開発ライフサイクルの全工程を通じて、さまざまな作業を統合する
- 体系化された費用対効果の高い要件とテストカバレッジの実現
これにより、先述したような要件の仕様化における失敗を防ぎ、システム品質のボトルネックを排除するというのだ。また、RBTの目標と関連の対象範囲およびその達成方法などを解説し、アプローチに基づいた実装例が紹介されている。開発の初期段階で実施できる品質向上策として参考になるだろう。
要件/テストケース管理に関連したホワイトペーパー
Javaアプリケーションのチューニングに必要なものとは
「Java EE性能チューニングは負荷テストとプロファイラの連携が正解」
多くの開発の現場では、開発期間の短縮化に伴いテスト期間が十分に確保できていない状況にある。そこで注目されるのが、負荷テストツールや計測ツール(プロファイラ)を利用した効率の良いチューニング手法だ。
このホワイトペーパーでは、Java EEシステムのパフォーマンスチューニングに役立つ2種類のツール「負荷テストツール」と「Javaプロファイラ」について、それぞれ単体で使用した場合と、組み合わせて使用した場合のメリットや課題を紹介している。
負荷テストツールは、HTTPリクエストに対する応答速度を計測して、システムが処理可能なスループットを算出する。また、システムの外側からリクエストを発生させることで、実際の運用状況をシミュレートするブラックボックステストに活用できる。
プロファイラは、Java VMに備わっている専用APIを利用してJavaアプリケーションのパフォーマンス分析を行うことで、チューニングをサポートする。プロファイラを使用したホワイトボックステストでは、個々のメソッドやインスタンスといった詳細なレベルで情報を活用することで、ロジックの修正やサーバのチューニングなどが可能となる。
それぞれの長所と課題を把握することで、自社に適した使用方法やツール導入を検討する際の参考になるだろう。
Javaアプリケーションのテストに関連したホワイトペーパー
今回紹介したホワイトペーパー以外にも、ホワイトペーパーダウンロードセンターでは、技術文書や製品資料、事例紹介などテスト関連のホワイトペーパーを20件掲載している(2009年7月10日現在)。システムの品質向上に役立つ情報が多く含まれているので、ぜひダウンロードしてご活用いただきたい。
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