新入社員の“IT感覚”を理解する
ITのIは一人称? SNS中毒世代が投げ掛ける課題
学生のソーシャルメディア利用についての調査を見る限り、ITの「I」は一人称の「I」の意味合いが強いようだ。
ITの「I」は「インフォメーション」の意味よりも、むしろ一人称の「I」(わたし)の意味合いが強くなっていることを、CIOは認識した方がよさそうだ。学生のソーシャルメディア利用についての調査報告を読み、そのことに思い至った。
この調査は米メリーランド大学のメディア・パブリックアジェンダ国際センター(ICMPA)が実施したもので、米国の大学生はソーシャルメディア中毒、すなわちBlackBerry、ノートPC、テレビ、iPod――特にiPod――に縛られている、と結論付けた。
たった24時間ソーシャルメディアと引き離されただけで、学生たちは麻薬中毒やアルコール依存症のような症状、具体的にはすさまじい欲求、強い不安感、極度のいら立ち、落ち込み、神経過敏、正気を失うなどの禁断症状を訴えた。近くにいる相手とさえつながりを断たれた気分になるとも訴え、特に、友達や家族とつながる主要手段としての携帯メール、携帯電話、インスタントメッセージング(IM)、電子メール、Facebookを断たれると最も不快感が強かった。
プロジェクトを主導したICMPA局長でメリーランド大学教授(ジャーナリズム)のスーザン・メラー氏は言う。「自分がメディアに対し『信じられないほどの中毒』だと認めた学生の多さに驚いた。しかし、彼らが長々と書きつづっていたのは、個人的つながりを失うことがどれほど嫌かということだった。彼らの世界では、メディアを失うこととはすなわち友達や家族を失うことを意味する」
学生は、情報から切り離されることにも極端な不安感を持っていた。特に、スポーツの試合結果からテレビ番組、自分のクラスや世界の出来事についてのニュースに至るまで、友達よりも情報が少ないことを心配していた。実際、学生がニュースや出来事について知るのは、ほとんどすべてがソーシャルメディア経由だった。テレビのニュースを見たり、新聞を読むという学生は極めて少数だった。「それでも、多くの学生が特定のニュースについての知識を披露した。この調査の若者たちは、有力メディアのニュースや情報は目に入らないようだった。
調査の対象となった学生の大部分にとって、あらゆる種類の情報はソーシャルメディアを通じ、選別されない波に乗って伝わってくるものであり、もしその情報が関心のレベルに達していればそれを追う。ただしその手段として多くの場合、携帯メール、電子メール、Facebook、Twitterなど従来とは異なる手段を使う」(調査報告書より)。ニュースとは非個人的なものではなく、友達を通じて(その主観によって選別され偏見が入った形で)伝わるものだという考えによって、情報はさらに個人的なものになり、一人称の「I」につながってくる。
上記はCIOにとっては考えさせられる調査結果だが、ではこれをどう解釈すればいいのか。まず、これから入社してくる世代に2つの特徴があることは分かった。1つは、ある学生の言葉を借りて言うと、簡単にははがせない「メディアスキン」。もう1つは人とつながっていたいという強い欲求。最新情報への飽くなき欲求も持つが、その情報は個人的なネットワークのフィルタを通して届く。情報は個人的なものになる。彼らにとって、ITとは真に一人称の「I」Tなのだ。CIOにとって、最低でもFacebookのアカウントが必要になることは間違いない。
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