課題はやっぱりライセンス
見えてきた、2016年にうわさされる“Microsoft DaaS”の片りん(2/2 ページ)
SPLA待ちのMicrosoft DaaS
RemoteAppおよび1ユーザーライセンスというアイデアは、興味深い進歩である。だが、そのどちらもユーザーがクラウド環境でWindowsクライアントOSを動作させる助けにはならなかった。Microsoftのソフトウェア使用許諾契約書では、他社と共有しているハードウェアでWindowsクライアント(Windows 7やWindows 10など)を動作させることを認めていない。このことが、今回の議論全体に大きな影を落としている。この規定によって、プロバイダーは特定の顧客にハードウェアを合わせるなど、面倒な手続きをより多く踏むことになっている。そのため、DaaSのコストは作為的に増加する。
ご想像の通り、この障壁はかなり大きい。だが、Microsoftはこの壁を取り壊すべく取り組んでいる。マルチテナントを認めるライセンスの概念は、前述のWindowsクライアントOSの上限とは基本的に相反するものだ。ただし、Microsoftの「Windows Server」やRDSHでは、何年もの間、この概念が存在していた。その理由は、SPLAの存在だ。この状況を踏まえて、Windows 10対応のSPLAを用意して欲しいと要請するのは簡単である。だが、Microsoftのライセンスは複雑に絡み合っているため、解明には時間がかかる。
この方面に関して、2015年10月に別の手段が提供されている。Microsoftは、「Azure for Microsoft Software」のFAQを更新し、MicrosoftのSA(ソフトウェアアシュアランス)のサポートと保守サービスを契約していれば、Windows ServerのライセンスをAzureで利用できることを発表した。それから、ビジネス向けの「Windows Enterprise」を導入している企業は、Azureに対応した「Windows 10 Current Branch for Business」(CBB)へのアップグレードが可能だと発表している。CBBでは、新しいバージョンのOSの更新や機能を随時配信するのではなく、先送りにすることができる。この発表では明確にAzureに言及されている。だが、このFAQでは、Microsoftは他のプロバイダーでもWindowsを動作できるようにするプログラムを作成していることも明らかになっている。ただし、これはSPLAではないため、あまり心を躍らせないように留意されたい。とは言うものの、これはMicrosoftがマルチテナント環境におけるWindowsとWindowsアプリケーションの配信について考え方をあらためている明白な証拠であることは紛れもない事実だ。
Microsoftが独自のDaaSリリースの準備期間中にやるべきことは、さほど残っていない。だが、早急に何かが起こるとは考え難いだろう。ライセンス契約におけるマルチテナントの壁が取り壊されたので、同社のDaaSのロードマップで次に対処すべきはSPLAであるように思える。MicrosoftがDaaSプラットフォームのリリースと同じタイミングでSPLAを用意するのは間違いないだろう。SPLAを用意しなければ、競合他社の優位に働くだけだからだ。
DaaSのリリースには時間がかかっている。だが、その理由の大部分は、サービスプロバイダーが対処しなければならない複雑さや費用負担が関係している。MicrosoftがDaaSのリリースにこぎ着けた暁には、本当の意味での競争と魅力的なサービスが提供されることになるだろう。それまでには、一部の技術的な課題が解決されているかもしれない。そして、2016年は待ちに待ったDaaSの年になるだろう。
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