セキュリティと利便性の両立を目指すが……
「Firefox」の魅力、豊富なアドオンに危機? 認証制度はなぜ不評か(2/2 ページ)
Mozillaは、2015年8月にリリースしたFirefoxのバージョン40から、AMO以外のサイトで提供されているアドオンを含む全てのアドオンについて、「アドオンガイドラインに沿っているかをMozillaによって検証され、電子署名されていること」を要求している。開発者は、拡張機能をAMOでのみ配布するよう義務付けられてはいないが、拡張機能はMozillaに提出され、検証と署名を受ける必要がある。
現在は、Mozillaによって署名されていない拡張機能に対して警告が表示されるだけだ。だが、2015年11月にリリース予定のFirefoxバージョン42からは、ユーザーはFirefoxの全てのβ版とリリース版で、署名されていない拡張機能をインストールすることができなくなる。このインストールができない構成を無効にする設定項目やコマンドラインオプションは用意されない。社内利用向けのアドオンなど一般配布されないアドオンの扱いについては、まだ詳細が発表されていない。
機能性とセキュリティのバランスを取ることは、ソフトウェア開発で常に取り組まなければならない課題であり、Webブラウザは特にそうだ。Webブラウザは、インターネットや未知の信頼できないソースのコンテンツにアクセスする際の最も一般的なインタフェースだからだ。Firefoxアドオンは、実行時にWebブラウザを完全なコントロールの下に置く。また、「Google Chrome」や米Appleの「Safari」とは異なり、Firefoxには、アドオンを相互に、あるいはWebブラウザから隔離する仕組みがない。前述したように、開発者が高度なカスタマイズや付加機能を実現できるのはそのおかげだが、これはもろ刃の剣でもある。
新しい検証および署名プロセスは、セキュリティをある程度改善するかもしれない。だが、潜在的な攻撃ベクトルを発見できるかどうかは、自動チェックと人手によるチェックに大きくかかっている。提出されるアドオンの数と最近のマルウェアの巧妙さを考えると、それは厄介な課題だ。
多くのFirefoxファンが、Mozillaが進めているこうしたアドオン関連の変更に失望している。特に不評なのが、ユーザーがリスクを理解した状態で未署名の拡張機能をインストールしようとしても、そのための方法がなくなることだ。またMozillaは、開発者に拡張機能を提出させ、長期にわたる検証を受けさせてからお墨付きを出すか、あるいは重大なセキュリティパッチをリリースさせている。そのために開発者にそっぽを向かれかねない。パッチがタイムリーに適用されなければ、拡張機能のセキュリティが低下する恐れもあるからだ。
アドオンの豊富さは、Firefoxの最大の強みの1つだ。だが、アドオンを提供するために今までよりも多くの手続きを踏まなければならなくなったことで、Firefoxをサポートしようとする開発者は減ってしまうかもしれない。このアドオン認証制度は、ユーザーを悪意あるアドオンから保護するのに役立つ可能性があるが、マイナス面もある。アドオンエコシステムを発展させ続けるとともに、平均的なユーザーの安全を守るという難しい両立が、今後ますます求められることになる。
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