IEを引退させてWindows 10で登場
徹底レビュー:新ブラウザ「Microsoft Edge」、Chromeユーザーをも夢中にする意外な新機能は(2/2 ページ)
読みやすさが向上したEdge
Microsoftは、ブラウザの読みやすさ向上に注力している。例えば、インタフェースをすっきりさせるために「お気に入りバー」はデフォルトで非表示になっている。ツールバーの星型のボタンをクリックすれば、これまでのように簡単にお気に入りを表示して、新しいお気に入りを追加できる。それから、IEや他のブラウザからお気に入りをインポートするオプションもある。Windows 10にアップグレードしても、IEのお気に入りはEdgeに自動インポートされないため、このオプションは非常に便利だろう。
履歴、ダウンロード、リーディングリストにアクセスできる特別なウィンドウの「ハブ」でお気に入りを確認することもできる。リーディングリストは、後で閲覧したいが、お気に入りに追加するほどではないWebページをブックマークするのに重宝する機能だ。
Edgeには「読み取りビュー」というもう1つ便利な機能がある。読み取りビューでは、より読みやすい書式設定で、ページが表示され、多くのWebサイトで起こる表記の崩れもない。
読み取りビューに対応していないWebサイトでは、ブラウザの右上隅にあるツールが灰色表示になり使用できなくなる。デフォルトのスタートページでは、読み取りビューは表示すらされない。
Webページに直接書き込む
Microsoftは、Webページに注釈を付けられるオプションを提供するという新たな分野を開拓している。「Webノート」機能を使用すると、下線を引いたり、強調表示やクリップ留めをしたり、ノートを追加することができる。これらの機能により、情報を共有したり、リマインダーを設定することが可能になる。また、単純に落書きをしても良いだろう。
Webノートを利用するときには、EdgeがWebページのスナップショットを撮影して、書き込み用のファイルを作成するようになっている。つまり、元のWebページを変更することにはならない。書き込んだ内容は、マウス、トラックパッド、タッチ画面から必要に応じて追加または削除できる。
Webページへの書き込みが終わったら、そのファイルをMicrosoftの「OneNote」に保存したり、お気に入りやリーディングリストに追加できる。その後、保存した場所にあるファイルにアクセスすると、オリジナルのWebサイトのページをたどることが可能だ。さらに、Edgeでは書き込んだページをメールやOneNoteで共有することもできる。
Edgeと統合するCortana
CortanaはWindows 10に組み込まれている個人用仮想アシスタントで、米Appleの「iOS」デバイスに搭載されている「Siri」と似ている。Cortanaはファイルの検索、配達状況の追跡、予定の管理に役立つ。また、冗談を言うこともできる。CortanaはEdgeに統合されているが、Windows 10全般で見られるような完全な機能は提供されていない。例えば、Edgeでは音声コマンドを利用することができない。だが、Cortanaを使用すると、Edgeでは2つの興味深い追加機能が利用可能になる。
最も便利なツールは、Webページで単語やフレーズを強調表示して、強調したものに関する情報を元のページから移動せずにCortanaに尋ねられることだろう。EdgeはCortanaが情報を提供するためのウィンドウを開くが、その時点で開いているWebページの閲覧が妨げられることはない。
Cortanaがあれば、必要な情報を必要なときに得られ、関係のない大量の検索結果を除外しなくて済む。この機能は、Microsoftの「Bing」やGoogleより多少なりとも効率的に情報を利用する上で役立っている。
まだまだ発展途上のEdge
IEよりも優れているように見えるが、Edgeはまだ初期の発達段階にある。そのため、多少の動作の不具合、未実装の機能、未完成のツールなどに遭遇することは避けられない。EdgeはIEの機能の一部を削った軽量なブラウザである。そのため、Edgeでは読み込めないレガシーページはいくらか存在する。そのときはIEを使わざるを得ないだろう。
Edgeは正真正銘のWindows 10ブラウザで、Googleの「Android」やiOSを搭載したスマートフォンおよびタブレットなどの各種デバイスで異なるバージョンが動作するChromeとは違う。本稿執筆時点で、EdgeはWindowsデスクトップにしか対応していないが、Microsoftの「Windows 10 Mobile」がリリースされれば、Edgeが組み込まれる可能性は高いだろう。スマートフォン市場における、Microsoftの「Windows Phone」の勢力はごくわずかだ。モバイルのトレンドが続くとすれば、Microsoftはクロスプラットフォーム製品の持つロイヤルティーを生み出しづらくなるかもしれない。
とは言うものの、IEを引退させる必要のあったMicrosoftは合理的な方法でそれを実行している。IEに手を加えないことで、MicrosoftはIEの限界に縛られることなく、自由にEdgeを推進することが可能だ。その結果、レガシーアプリの安定性を確保しながら、前任のIEをはるかに凌ぐブラウザを提供できている。現在のEdgeはChromeやFirefoxと肩を並べられる状態ではないかもしれない。だが、間違いなく、その対抗馬となる可能性を秘めている。
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