スクリーンキーボードもより使いやすく
徹底レビュー:「iPad Pro」だけではない 既存iPadもガラリと変える「iOS 9」新機能(2/2 ページ)
キーボードの新機能
iPadのスクリーンキーボードには何年も手が加えられてこなかったが、iOS 9では重要な幾つかの新機能が追加された。その中で最も注目すべきはキーボードをトラックパッドとして使用できるようになったことだ。スクリーンキーボードを2本の指でタップすると、ユーザーはカーソルを自由に移動できるようになる。キーボードエリアがトラックパッドのように機能するのだ。またダブルタップするとテキストを選択できる。
書式を変更できるショートカットバーがスクリーンキーボードの最上部に追加されている。配置されたボタンから、カットやコピー、ペースト、取り消し、やり直しに加え、ボールド、イタリック、アンダーラインの書式設定も行える。この新しい方法でテキストを選択して書式を変更する操作は慣れるまで少し練習が必要である。だが変化を望まない人のために、Appleオリジナルのタップアンドホールド方式も引き続き利用できる。
現在のところ外部のBluetoothキーボードを使用している場合もショートカットバーが表示されるが、Bluetoothキーボードを使用しているときにこの機能は必要ない。この問題がiOS 9.1で対処されることを期待したい。
Newsアプリ
Appleは、iOS9で従来のApple製の「Newsstand」アプリを廃止し、その後任としてNewsアプリを組み込んでいる。米Flipboardの「Flipboard」を使用したことがあれば、Newsアプリの機能はおなじみのものだ。NewsアプリはWeb中のニュースサイトからコンテンツを収集する。ユーザーは有名人から宇宙旅行まで、豊富な選択肢の中から関心のあるトピックを指定できる。Newsアプリは指定のトピックに該当する記事のコレクションを作成し、集めた記事を雑誌のような形式で表示する。
ユーザーインタフェースに対する各種変更
Appleは、iOS 9を実行するiPadの操作方法にさまざまな変更を加えた。劇的な変化は1つもないが、こうした変更によって日常的な操作は確実に簡略化される。
画面上部から下にスワイプすると表示される通知センターは簡略化され、全ての情報が1つのウィンドウにまとめて表示されるようになった。また通知は種類ごとにグループ化されるのではなく、時系列で表示される。
Spotlight検索ウィンドウに最近使用したアプリの一覧が追加されるようになった。Spotlight検索ウィンドウは、iOSのホーム画面を真ん中から下にスワイプすると表示されるものだ。また、ホーム画面を左側からスワイプすることで新たにウィンドウが表示されるようになった。このウィンドウでは、Spotlight検索、最近使用したアプリと連絡先の一覧、マップアプリで近場の検索、Newsアプリから選定された記事一覧が利用できる。この両方のウィンドウの必要性については疑問が残る。制約の多い前者のウィンドウは後者の新しいウィンドウに取って代わられるべきだろう。
通知センターや検索画面の項目から別のアプリケーションに切り替えると、それまで使用していたアプリに戻ることができる小さなリンクが画面左上端に表示される。これは小さな変化だが便利なUI要素だ。
Appleは、フォルダ内にあるアプリの表示方法を簡素化した。そのため1列に収まるアプリの数が3個ではなく4個になり、1つのウィンドウに表示できるアプリの数が増えた。ただし、ホーム画面では各列に表示されるアイコンの数は従来通り4個のままだ。
メモアプリ
Appleの「メモ」アプリがアップグレードし、写真やチェックボックスをメモに挿入できるようになった。さらにユーザーはメモにスケッチを描けるようになった。描画ツールは意外にしっかりした作りで定規まで備わっている。とはいえ、スケッチを追加できるのはメモの末尾だけで段落の間に挿入することはできない。そのため、有用性は限られる。
このメモアプリが米Evernoteの「Evernote」や米Microsoftの「Microsoft OneNote」にとって本当のライバルとなる日は、まだ先だろう。だが、確実な進歩が見られている。
その他の変更
Appleは、「iCloud Drive」アプリをiOS 9に組み込んだことで、中央管理ファイルシステムの導入に向けてようやく大きな1歩を踏み出した。iPadユーザーはさまざまなアプリで保存されたファイルをiCloud Driveアプリから確認し、ファイルにアクセスする中心的な場所として利用できるようになる。条件は、アプリがiCloud Driveをサポートしていることだ。
Safariでは広告ブロックソフトウェアがサポートされるようになった。実際、Appleの「App Store」では数々の広告ブロックソフトウェアが公開されている。
iOSの「設定」アプリは必要な項目を見つけるのが難しい程に項目が増加している。例えば、Slide Overとピクチャ・イン・ピクチャは無効にできるが、その設定を見つけるのは至難の業だ。だが幸いなことにユーザーは設定アプリを検索できるようになった。
結論
iPadを生産性向上ツールとして使用しているユーザーにとってiPadをさらに使いやすくすることをiOS 9が目標としているのは明らかだった。そしてAppleはこの目標を達成している。並列表示のマルチタスクは仕事でiPadを使用しているユーザーにとって大きな恩恵をもたらすだろう。また、それ以外の変更も歓迎されるであろう。
最近は新しいiPadの売り上げが落ちている。だが、その理由はタブレットが使われなくなったからではなく、古いデバイスでもまだ十分間に合い、アップグレードの必要性を感じないためだ。Appleが提供する完全な並列表示のマルチタスクを利用するには、Appleの最新モデルであるiPad Air 2、iPad mini 4またはiPad Proのいずれかが必要になる。この条件が、この3製品の売り上げを後押しすることになるだろう。
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