技術者の次世代スキルセットとは
もはやケーブルは触らない、API連係で自動化が進むデータセンターの今(2/2 ページ)
増員よりも自動化
自動化ツールにより、IT部門は大幅な増員を行うことなく機器の急増に対処できる。APIは、ソフトウェアの統合を簡略化して多くのタスクを自動化するために必要な抽象化レイヤーを提供する。APIがなければ、プログラミングコードはOSやユーザーインタフェースなどの特定の機能に密接に関連付けられてしまう。企業が利用可能なストレージ容量などのシステム管理機能を変更する場合、IT部門はMicrosoftの「Windows」を実行する機器で作業を行い、次に「Linux」を実行するシステムを対象に同じ作業を行わなければならない。適切に設計されたAPIによって、データセンターの管理者は、サーバでWindows OSとLinux OSのどちらが実行されているかを気にすることなく、変更を適用できる。
APIの信頼性が高まったため、現在のシステムは以前よりもはるかに優れたものになっている。多くの機器は既に設定済みで、ネットワーク接続の自動設定などのタスクを実行する。
その結果、データセンターの技術者は、物理的にデバイスに触れるのではなく、仮想接続を確立するようになっている。ソフトウェアオブジェクト、ルーチン、データ構造などのコンポーネントを互いに関連付けるソフトウェアライブラリやAPIシステムを操作している。事実、APIは人間がかつて手作業で行ったタスクを、機械が自動的に完了させる雑用に変換している。
全てを仮想化するAPIシステム
この新しく発見されたプログラムの可能性は、データセンターに広がるソフトウェア定義の全テーマの鍵となっている。市場調査会社のアイルランドResearch and Marketsの予測によると、ソフトウェア定義データセンター市場の収益は、2015年の217億8000万ドルから2020年には771億8000万ドルに増加する見込みだ。年平均成長率は28.8%になる。
その結果、APIはさまざまな場所で使用されるようになっている。IT担当者は、物理サーバを微調整するのではなく、システムインフラのAPIを活用して仮想マシン、セキュリティサービス、ネットワーク設定をプロビジョニング(作成、移行、削除)している。
その一例は、Microsoftの「Microsoft Azure」の「API Management」クラウドAPIサービスだ。このサービスには、APIコールを許可してバックエンドシステムへルーティングするゲートウェイが含まれる。API鍵、JSON Webトークン、証明書を認証し、使用量のしきい値とレート制限を強制して、分析目的でコールメタデータをログ記録する。Azureのポータルでは、APIスキーマの定義やインポート、APIのアプリケーションへのパッケージ化、API上でのしきい値や変換などのポリシーの設定をデータセンターチームのメンバーが行える。
APIはクラウドシステムのために登場している。クラウドAPIの必要性は、TCP/IP標準の登場とそのネットワークへの影響と似ている。共通の基準がなければ、クラウド管理者はシステム接続の構築に多くの時間を費やすことになる。標準のインタフェースがあれば、接続は自動化される。典型的な例は、OpenStackの使用だ。
APIトレーニングのオプション
APIシステムの重要性の増加に伴い、データセンターの技術者はどのように経験を積んだり、正式なAPIトレーニングを受けたりできるのだろうか。さまざまなグループが認定書を発行しているので、これを活用されたい。
60カ国でサービスを展開するカナダArcitura Educationは、サービス指向アーキテクチャ(SOA)のコースを提供している。SOAコンサルタントの検定では、各種APIを使用して異なる要素を結び付けるために必要な技術的詳細と全体像の概念の両方についてテストが行われる。
非営利事業者団体の米Computing Technology Industry Association(CompTIA)は、約2000社のメンバー企業、5万5000人の登録ユーザー、3000社の教育/トレーニングパートナーを抱え、200万以上のIT資格を保有している。CompTIAのNetwork+の認定は、有線/無線機器の設計、構成、管理、トラブルシューティングに必要なスキルを確認するために設計されたベンダーに依存しないネットワークコースで、ネットワークサービスへのアクセスと自動化のインタフェースとしてAPIを掘り下げている。
オランダの認証会社であるEXINは、1000社を超える認定パートナーと連携して、165カ国20言語以上で認定書を発行している。同社のOpenStack認定プログラムにより、技術者はクラウドAPIシステムを理解して活用できる。
これらの独立系企業に加えて、業界大手ベンダーである米EMC、米Hewlett Packard Enterprise、米IBM、Microsoftは、特定製品向けのAPIトレーニング用に作成された認定プログラムを提供している。
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