米IIAの分析予測リストを読む
2016年こそデータ分析に成功したい企業に贈る、5つのお約束(2/2 ページ)
その3:企業における分析プロジェクトを定義して優先順位を付ける
チームによる分析プロジェクトの優先順位付け、定義、実行のプロセスが明確であれば、プロジェクトのパラメータや期待値を設定して、意思統一を図ることができる。「プロジェクトの管理、プロジェクトの統制、優先順位の統制はどれも重要で、企業における真の経験と能力になる分析能力を形成する過程の一部である」とマジェストロ氏は語る。
マジェストロ氏は、分析のリーダーがプロジェクトの採用プロセスを確認することから始めるよう提案した。「このプロセスを確認することで、作業と決定を結び付けるために必要なビジネスの問題点をよく把握できるようになる。そして分析の専門家は最終的な目標に向かって確実に注力できるようになる」と同氏は言う。また、次のような理由から、正式な方法でプロジェクトの優先順位を付ける方法を考案するようリーダーたちを促している。それは、「リソースを効率的に割り当てられるようにすること」「取り組むべき主要プロジェクトに対するシニアリーダーの意思統一を図ること」の2点だ。
ただし、一部のグループが不当な扱いを受けていると感じると、プロジェクトの管理業務を正式なものにすることは、「シャドー分析」(シャドーITの分析版)を促進する恐れがある。ダベンポート氏は、シャドー分析を非協力的なならず者だと見なしている。一方、マジェストロ氏は、シャドー分析は企業にとって前向きな動きとなる可能性があるとして、次のように述べている。「シャドー分析を使用する人が増えれば、より多くの人がシャドー分析に投資することになる。それは、組織にとってプラスに働く」
その4:キャリア開発プログラムで分析の人材を維持する
企業にとって分析とデータサイエンスの人材は今はやりの必須アイテムだ。そのため、維持が困難になることがある。「人材を確保するルートが確立されていないため、分析能力のある人材が退職または異動したときに、その穴を埋めるのが困難になる場合がある」とマジェストロ氏は語る。
ルートの開拓に加え、これらの人材の役割が持つ特有の性質を経営幹部が認識してサポートすることが重要だと専門家は言う。データサイエンティストの役割が発展する礎となったバックオフィスの統計の専門家やアナリストなどは、過去のものになってしまった。今日、分析やデータサイエンスの専門家には、ビジネスの洞察力と技術的なスキルの両方を兼ね備えた複雑なキャリアパスの形成を期待されることが往々にしてある。「分析の専門家は複数の業界に対応できるスキルセットを持っており、他の専門家よりも機動力が高い。そのため、小売業界で働いていた人がヘルスケアや金融サービスの業界に転職することもあり得る。これは自然なことで、最近人気のトレンドでもある」(マジェストロ氏)
企業が分析の専門家をサポートする方法について、マジェストロ氏は次の3つの提案をしている。
- リーダーシップの可能性を認識する
- ビジネススキルのトレーニングを行う。ビジネスの基礎は、技術者から企業のビジネスサイド、あるいはその逆へと移るためのスキルの基盤になるとマジェストロ氏は言う。ビジネスの基礎には、その場の雰囲気を作る方法、会社との接し方、戦略の立て方などが含まれる
- 管理する立場になる分析の専門家に追加のサポートを提供する。分析の専門家が管理する立場になると、ビジネスのバックグラウンドを持つ人よりも困難に陥る可能性が高いとマジェストロ氏は指摘する。だが、データに関する重要な思考能力と経験を持って役割に臨むため必要な投資以上の利益を組織にもたらすと同氏は見ている
その5:分析の価値を測定する
CIOと分析のリーダーは、分析の価値を引き出すべきだ。分析の価値を引き出す作業は他のプロセスに含まれることが多い。「分析を企業の能力として認識することだ。同じ視点でそのように考えることで、組織のリーダーから支持が得られるようになる」とマジェストロ氏は話す。
そうすることで、CIOや分析のリーダーは人材やツールへの投資を正当化する必要があったり、追加のリソースを要請したりするときに、論理的に自分の考えを主張できる。マジェストロ氏は分析の価値を測定する方法として次の3つを提示している。
- 洞察の直接的なメリットを測定する。投資利益率(ROI)は売上の増加や非効率な箇所の特定による支出の減少によって向上する
- 蓄積された知識を測定する。ROIよりも定量化は難しいが、真実を映し出すものだとマジェストロ氏は言う。プロジェクトが失敗に終わっても、その結果は分析の専門家の知識として蓄積され、今後の業務に役立てられるだろう。「分析業務に費やす全ての時間が企業を賢くすることにつながる」(マジェストロ氏)
- 分析の効率化の度合いを測定する。社内に分析チームを持つことは、社内で重複作業を行う可能性が低減する。さらに、その業務を費用の掛かる会社にアウトソースする必要もない。「アウトソースが必要な作業を行わないというコストもある」(マジェストロ氏)
それから、ダベンポート氏は追加で1つアドバイスを提示している。それは「事例の管理」をうまくやることだ。
自由に使える巧みに組み立てられた事例を数多く持つことで、過去の実績を示すことができる。ダベンポート氏は分析プロジェクトのためにマーケティング機能を持つことと比較しながら、このアドバイスについて説明した。
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