分析のカリスマから学ぶ
女性が増えると分析力アップ? 精鋭データサイエンスチームを作る7つの教訓
データサイエンティストが習得すべきプログラミング言語は何だろうか。また、彼らにはどのような指導が必要だろうか。チームにもっと女性を参加させるべき理由は何か。これらの疑問を含めた7つの項目に答える。
ビッグデータ分析の波は教育の現場にも押し寄せている。小売業者はもっと多くの製品を買ってもらうために、ビッグデータの分析結果を使用して顧客を獲得しようとしている。自動車保険会社は、個々のドライバーの運転行動を詳しく分析しようとしている。教育関係者は、データサイエンスを使用して顧客との距離を縮めようとしている。
教育コンテンツを提供している米McGraw-Hill Educationで分析および研究開発担当副社長を務めるアルフレッド・エッサ氏は、米ボストンで2014年6月に開催されたイベント「Useful Business Analytics Summit」にパネリストとして参加した。そこで、同氏のチームがどのようにアナリティクスを実践しているのかを説明した。
本稿では、エッサ氏がデータサイエンティストをどのように指導し、同氏の下で働くチームが持続可能で拡張性の高いデータ製品をどのように開発しているかを紹介する。
1.データサイエンティストが習得すべき言語
「Python」と「R」は、学術界で広く利用されているプログラミング言語だ。エッサ氏が「科学計算のためのプログラミング言語」と形容するPythonについて、最もよく話題に上るのはルーチンタスク用の標準ライブラリである。統計解析には、R言語を使った処理を推奨している。データサイエンティストでなくても、そのチームを管理する立場にある場合は、Pythonの習得を勧めている。「Pythonはそれほど難しくない。初心者にうってつけの言語だ」(エッサ氏)
2.データサイエンティストはどのような指導を受ける必要があるのか
エッサ氏は、詩の書き方を指南するエズラ・パウンド氏の名著「ABC of Reading」の一節を引用し、「練習あるのみ」と説明する。「詩を書く準備として、詩を多読するというのが彼の考えだ。そこで、データサイエンティストにも同じことを実践させた」と同氏は話す。与えられた各種データを分析して、どのような質問に答えられるかを回答させている。この作業は教育の目的で行うこともあれば、それ以上の目的で行われる場合もあるという。個人で作業をすることも、チームで作業をすることもある。「データサイエンスにとって重要なのは対話型のデータ探索だ」とエッサ氏は語る。対話型のデータ探索をサポートするツールとして「IPython」と「IPython Notebook」を挙げる。IPythonはプログラミング言語にとらわれないユーザーインタフェースで、IPython Notebookはユーザーがコード、テキスト、数学のグラフなどを組み合わせることができるWebベースの環境だ。
3.企業はデータ製品をどのように開発すべきか
「試作品の可能性を大いに信じている」とエッサ氏は話す。米マサチューセッツ工科大学(以下、MIT)のCenter for Digital Businessで主任研究員を務めるミヒャエル・シュラーゲ氏の研究を取り上げ、同氏の著書『Serious Play』では試作品の作成が「イノベーション文化」の証だとしている。最高情報責任者(CIO)がデータ製品の開発に乗り出すときには、社内に試作品を作成する文化があるかどうか確認することをエッサ氏は推奨している。
4.データ製品を開発するチームの理想的な構成
McGraw-Hillにとって理想的なチームは「データサイエンティスト」「エンジニア」「データ可視化の専門家」で構成された総合的なチームだ。分析を成功に導くにはデータ可視化の専門家の存在が特に重要である。データ可視化の専門家は、テキストデータ、リレーショナルデータ、ソーシャルデータなどのビッグデータを使いやすく、説得力のある表現に変える能力を持っているとエッサ氏は指摘する。「ユーザーが必要としているのはビッグデータではなく、ビッグデータから得られる洞察だ。データ可視化の専門家は、視覚的な観点と創造力を持っている。見つけるのは難しいが、とても貴重な人材だ」(同氏)
5.企業はビッグデータインフラをどのように構築すべきか
「IT業界で慣例となっている方法はお勧めしない。私はIT業界という炭鉱で働き、データウェアハウスを発掘して構築した。これは非常に長くつらい作業だった。データを分析するのも今より複雑だった」とエッサ氏は振り返る。同氏は、まずアーキテクチャの概要図の作成から着手することを推奨している。例えば、同氏のチームは、分析ストアに取り込む必要がある内部/外部ソースシステムの綿密な計画を立てた。それから、アプリケーションプログラミングインタフェース(API)を使用することにした。「単純な図から始め、作業を繰り返し行い、そこから学習する。このやり方は効果的だ」とエッサ氏は語る。
6.データチームが採用すべき方法論
データ製品の開発と「基礎の立ち上げ」の両方にアジャイルプロジェクト管理手法を使用しているとエッサ氏は話す。同氏のチームは2週間サイクルで作業している。各サイクルの終わりにはチームから「機能するコード」と「何らかのデモ」が提供されることを期待している。「物事をシンプルにして、前進し続けることが大切だ」(同氏)
7.企業はチームをどのように賢くできるのか
エッサ氏は、トーマス・W・マローン氏の研究を参照することを勧めている。マローン氏は、MITのスローン経営学大学院で経営学の教授を務め、MIT Center for Collective Intelligenceの創設者でもある。マローン氏は集団的知性について長年研究しているが、同氏がたどり着いた調査結果の1つはもっと女性を雇用することだ。「チームに女性を増やすとチームのIQは高くなる」とエッサ氏は指摘する。
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