話題のITベンダーに学ぶIT製品選定のポイント【サイボウズ編】
どこからでも会議に参加、オフィス移転でサイボウズが全面採用したUCシステムとは(2/2 ページ)
映像品質の向上でコミュニケーションがよりスムーズに
UCシステムの選定後、2015年春にはシスコのUCシステムを設定、同年6月には試験をして、7月の東京オフィスの移転と同時にサービスを利用開始した。
現在サイボウズでは、東京、大阪、松山の国内3拠点および中国にシスコのテレビ会議システムを導入、2016年2月にはベトナムでも導入するという。これに加え、クライアントPCにはWebチャットシステム「Cisco Jabber」を導入した。Jabberは、スマートフォンアプリも用意しており、プレゼンス管理やインスタントメッセージ、Web会議、ボイスメッセージなどの機能がある。また、Jabberとテレビ会議システムが連係しているので、出張中や外出中でも、Jabberから社内会議に参加することもできる。「いつでも誰とでも簡単につながるようになったので、コミュニケーションのスピードが上がった他、どこからでも会議に参加できるようになりました」と鶴村氏は言う。
また、以前利用していたテレビ会議システムと比較して、タイムラグが少なくなり、かつ音質や映像品質が大きく向上したという。中でも映像について鶴村氏は、「以前のテレビ会議は、ちゃんと話すことさえできれば映像品質を気にする必要はないと思っていました。しかし、実際に映像がクリアになると、伝わる内容やニュアンスが大きく変わることが分かりました」と話す。「特に、中国現地法人の社員とコミュニケーションする際は言葉の壁もあります。それが、ちょっとした表情の違いがよく見えるので、ちゃんと伝わっているかどうかも判断しやすくなりました」(鶴村氏)
一方、コールセンターでは「運用の柔軟性が高まりました」と松平氏は説明する。「特定のチームや担当者に優先的に電話を取ってもらうような設定も簡単にできるようになりました。電話がつながるのを待っているお客さまの人数も把握できるようになり、待ち人数が多いときには本社でも対応できるようにしています。2015年12月には札幌のコールセンターも立ち上げていますが、設定さえすれば松山にかかってきた電話を札幌で取ることも可能です」(同氏)。全てのコミュニケーションシステムを連係し、柔軟性に富んだ運用をする――まさにサイボウズが目指していたことを、今回の新システムが実現した。
より多くの機能を使いこなしたい
ただし、まだ全て想定通りの使い方ができているわけではないと鶴村氏は明かす。「社内電話では、取り次ぎをなくすことを目指していました。そのため、各社員にダイヤルイン番号を与え、その番号に電話がかかってくるとクライアントPCやスマートフォンなどさまざまなデバイスで受けることが可能な『シングルナンバーリーチ』機能の運用を考えていました。しかし、まだ実現には至っていません」と鶴村氏。今後こうした機能の活用も計画中だという。
また、テレビ会議では、社内メンバーだけでなく、社外の人でも参加できるような仕組みを取り入れることも視野に入れているという。「参加者側にテレビ会議システムがない場合でも、ゲストとして参加できるような環境を整えたいと考えています」と鶴村氏は述べる。
コールセンターでは、「安定稼働が第一なので今はインフラの強化に注力しています」と松平氏は説明する。「新システムの導入により、できることが大きく広がりましたが、機能が豊富で使い切れていない部分も多いです。今後はテキストマイニング機能も含め、顧客満足度向上に向けてさまざまな機能を使っていきたいですね」(同氏)
今後の社内のコミュニケーションについて、鶴村氏は「テレビ会議システムが刷新されたことで、各拠点とのコミュニケーションは取りやすくなりました。海外とのコミュニケーションをよりスムーズにするには、同時通訳ツールがあればさらにいいかもしれません」と述べる。
従業員がいつでもどこでも働ける環境を実現すべく、在宅勤務といった人事制度を整備したものの、システムの問題で実現できていない企業は少なくない。その課題を解決するためにUCシステム導入を検討している企業にとって、サイボウズのようにあらゆるコミュニケーション手段をシームレスにつなぐシステムを構築することは、有力な選択肢となるだろう。
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