IT部門もアジャイル、DevOpsで行こう【第3回】
Dockerが提唱する“Container as a Service”とは、早い話がPaaSである(2/2 ページ)
Dockerが打ち出すContainer as a Service
Dockerを利用できるPaaSが増える中、Docker自身もエコシステムを広げるべく、さまざまなプロダクトを矢継ぎ早にリリースしている。2015年11月には、Dockerのプロダクトを組み合せて実現できる「Container as a Service(CaaS)」というモデルを提唱した。IaaSやPaaSよりも、このCaaSこそがコンテナの展開に適切だという。
それでは、DockerのいうCaaSとはどのような仕組みなのか(図3)。
このモデルでは、ユーザーがアプリケーションを開発してからリリースするまでのライフサイクルを、「Build(構築)」「Ship(出荷)」「Run(実行)」の3フェーズに分割している。
まずはBuild。「Docker Toolbox」や「Docker Hub」でイメージを作成する。次にShip。Docker Hubや「Docker Trusted Registry」といった仕組みにイメージをアップロードする。そして最後にRun。「Docker Cloud(旧Tutum)」を使って、さまざまなクラウド環境でコンテナを実行する。
この3フェーズを経ることで、環境構築から運用までを自由に行えるというのがDockerの提案する考え方だ。
しかし、前述したPaaSの概念と照らし合わせて考えるとどうだろうか。PaaSではなくCaaSの方がコンテナの展開に適切だというが、考え方は第3世代のPaaSとほぼ相違ないことが分かるだろう。
確かに、第2世代までのPaaSは、環境構築がPaaS側でブラックボックス化されており、柔軟性に欠けるものだった。しかし、Dockerコンテナの利用が当たり前になった第3世代のPaaSでは、コンテナの運用に適した仕組みを各サービスが提供するようになっている。さまざまな人がコンテナに適した仕組みとは何かを考え抜いた結果、皆似たような結論に収まったということだろう。
以上、DockerとPaaSの関係について述べたが、いかがだろうか。Dockerが提供するエコシステムと各社から出るPaaS、さまざまな選択肢があるのが現状だ。しかし間違いなくいえるのは、Dockerそのものはデファクトスタンダードになりつつあり、この技術を追って損することはないということだ。
一度Dockerでイメージを作ってしまえば、あとは要件に合った機能を提供しているか、予算感に合っているかなどを基準にサービスを選べばいい。
ここ数年で、アプリケーション開発に関する技術やサービスは大きく向上した。新しい仕組みを積極的に取り入れ、一歩進んだアプリケーション開発を体験していただきたい。
草間一人(くさま かずと)
ICT企業でPaaSの開発を主導。その傍らで、古今東西さまざまなPaaSとその関連技術を扱う勉強会「PaaS勉強会」を主宰。また、日本Cloud Foundryグループの理事も務める。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
IT部門もアジャイル、DevOpsで行こう
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[オーティファイ株式会社] AIでコーディングは加速したのにテストはそのまま? いまQAに必要な進化とは -
事例
[オーティファイ株式会社] QAで開発サイクルを遅延させない 8社の事例に学ぶ「テスト工程」の課題解決策 -
製品資料
[株式会社ガラパゴス] 「AIっぽい広告」の山に埋もれさせない AIマーケで着実に成果をだす秘訣とは? -
製品資料
[株式会社ガラパゴス] 「広告投資」調査レポート2026:勝ち組企業は何に投資しているのか? -
製品資料
[株式会社Helpfeel] 「問い合わせの渋滞」を解消、情シスの負担を軽減する“次世代型AI”活用方法
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
「Copilot」はなぜ放置される? “議事録要約止まり”を脱する処方箋
-
2
脱VMwareの前提が崩れる BroadcomのVDDK公開停止で確認すべき点
-
3
「企業内サーバ環境の利用実態」に関するアンケート
-
4
「AI活用を前提とした業務PCへの移行」に関するアンケート
-
5
9割が頓挫する「AI内製化」 差がついたのはツールより設計力
-
6
MS月例パッチが1000件突破 人手不足の情シスを襲う「月1回メンテ」の崩壊
-
7
技術力だけでは「上に行けない」 シヤチハタCDOが語る、情シスが次の役割をつかむ条件
-
8
「データストレージの活用方法」に関するアンケート
-
9
AIエージェントはどう作る? まず押さえておきたい重要技術
-
10
「VMware離れ」は本当か 3000社がVCF 9にかじを切った現実的な理由
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
マンガで解説:「ゼロトラスト」「SASE」の必要性とメリット
-
2
5回聞くだけじゃ足りない? トヨタ式「なぜなぜ分析」の正しい実践方法
-
3
インシデント対応工数を約3割削減、東京ガスの事例に学ぶ監視体制刷新のコツ
-
4
AIエージェントで多様な日常業務を効率化するための入門ガイド
-
5
JR西日本ITソリューションズが「監視業務の属人化」を解消した方法とは?
-
6
国税庁の次世代基幹システム「KSK2」稼働開始に向けて、対応すべき変更点とは?
-
7
5分で分かる「セキュア大容量ファイル転送サービス」の機能とメリット
-
8
ドラマで分かる、標的型攻撃メールの被害を受ける企業と回避できる企業の分岐点
-
9
少額減価償却資産が40万円未満へ拡大、令和8年度税制改正で押さえるべき変更点
-
10
「脱Excel」か「Excel快適化」か? 現場にやさしい業務改善の進め方
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー