条件によっては報奨金の倍額も
iPhoneのバグ発見で2000万円ゲット? Apple「報奨金プログラム」の気になる中身
Appleは「iOS」や「iCloud」の重大なバグを見つけた研究者に対する報奨金プログラムを開始し、多額の報酬を支払う方針だ。
スティーブ・ジョブズ氏が亡くなって以来、Appleがプレゼンテーションで「One More Thing(それからもう1つ)」という決まり文句を使うことは少なくなっている。だが先日開催されたセキュリティカンファレンス「Black Hat 2016」では、Appleは久しぶりにこのフレーズを使った。バグ報奨金プログラム「Apple Security Bounty」を発表した時だ。
Appleのセキュリティエンジニアリングおよびアーキテクチャ部門のトップであるアイバン・クリスティッチ氏は、バグ報奨金プログラムをスタートさせる理由について「Apple製品の重大な脆弱(ぜいじゃく)性を見つけるのが非常に難しくなってきたからだ」と説明する。
「社内のチームからも、社外のセキュリティ研究者からも、深刻な脆弱性の発見は難しくなる一方だとの指摘が上がっている」とクリスティッチ氏は語る。そこでApple Security Bountyプログラムを用意し、重大な脆弱性をAppleに報告してくれた研究者に報奨金を支払うことにしたわけだ。「私たちは脆弱性をできるだけ速やかに解決することを最優先するつもりだ」(同氏)
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バグ報奨金プログラムを始める理由
Appleのバグ報奨金プログラムでは、5つのカテゴリーの脆弱性について報告を受け付ける。そのうちの3つは、「iPhone」「iPad」といった同社製デバイスが搭載するモバイルOS「iOS」の重大な脆弱性、1つはAppleサーバ内にあるオンラインファイル同期サービス「iCloud」のデータに対する不正アクセス、もう1つはiOSのサンドボックス(隔離環境)に隔離されたプロセスからサンドボックス外のユーザーデータへのアクセスだ。
報奨金の最高額は、iOSの起動時にOSのデジタル署名をチェックするセキュアブートに利用する、ファームウェアコンポーネントの脆弱性を報告した場合の20万ドル(約2000万円)だ。プロセッサ「A」シリーズに組み込まれたコプロセッサ「Secure Enclave」に保護されている機密情報の抽出には最高10万ドル(約1000万円)、カーネル権限による任意コードの実行とiCloudデータへの不正アクセスには最高5万ドル(約500万円)、サンドボックス化されたプロセスからサンドボックス外のユーザーデータへのアクセスには最高2万5000ドル(約250万円)を支払う。
「それぞれのハッキングの難易度に見合った額ではないだろうか」とクリスティッチ氏は語り、研究者が慈善団体への寄付を選択した場合には報奨金を倍額とする方針も明らかにしている。「ただし、これらはあくまで上限額だ。実際に支払う額は、エンジニアリングチームが提出された報告書を吟味した上で決定する」と同氏は続ける。
なお非公表の希望があった場合を除き、Appleは脆弱性の発見者を公表する方針だ。報奨金額は、エンドユーザーに及ぶ影響の大きさなど、さまざまな要因を勘案して決定する。
Apple Security Bountyは2016年9月から招待制でスタートする。Appleは当初、このプログラムに数十人の研究者を招待する。ただし、いずれは招待外の研究者にもプログラムを拡大し、報奨金に見合う脆弱性を報告してきた研究者には報酬を支払い、プログラムへの参加を依頼する方針だという。
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